視線の違いで空気が変わる
本来であれば、どんな生活を送りたいのかを考えた上で、間取りの段階から検討するのが望ましいのですが、今あるスペースでレイアウトの検討しなくてはならない場合も多いですね。そんな時には、視線の向きを考えてみましょう。左:風景A キッチンや冷蔵庫が視界に。 右:風景B 窓の外の自然が目に入ってきますね。 |
上の画像は、同じ一続きの空間です。ソファにくつろいで座ったときに見える風景として考えてみてください。キッチンなどの室内側が見えるのか、窓の外に広がる景色が見えるのかでは、随分と印象が変わってきますね。風景Aの場合は、キッチンで作業をする人とも自然に話しができそうですし、風景Bならば、生活感とはかけ離れてのんびりとできるような感じがします。
このように、視線をどの方向に持ってくるかによって、そこで暮らす印象が大分違ってきます。レイアウトするときには、スペースとの取り合いを考えることはもちろんですが、更に視線の向きに注意してスペースのつながりを考えてみるといいでしょう。
《A》や《C》のみんなでワイワイ派にはコレ
上質な木製家具に囲まれた、家族の繋がりが感じられる穏やかで温かな空間。(画像:柏木工) |
右の画像は、ソファからの視線をダイニングに向けてレイアウトした空間です。ダイニングも縦方向をソファ側に視線が通りやすく配置をすることで、両方のスペース同士の交流も十分に出来そうですね。大勢の人数が集まったときにも広いスペースが確保しやすく、対応がしやすいでしょう。また、このようなレイアウトは、空間が分断されないので、広々とした空間に見えてきます。
《B》のゆったりまったり派にはコレ
リビングでは大型テレビを囲んだ団欒の光景が目に浮かんくるよう。ナチュラルな家具が明るいリビングダイニングを演出。(画像:柏木工) |
右の画像は、ソファをダイニングスペースとは反対に向け、ダイニングも囲み方でリビング側との視線を行きにくいように意識したレイアウトになっています。リビングダイニングという一続きの空間にも関わらず、リビングはリビング、ダイニングはダイニングとしてそれぞれのスペースの独立感が高いレイアウトです。
ダイニングで家族で食事を済ませたあと、リビングに場所を移して、ゆったりとテレビを見ながら過ごせるような空間になっていますね。リビング側は人を招いたときにも落ち着いて会話ができるおもてなしの場としても十分です。
それぞれの空間の独立性を求める場合には、リビングとダイニングの間を間仕切りドアで仕切る、背の高い家具を置いて仕切る方法もあります。それらに比べると視線の調整によって空間を分ける方法は、空間自体を分断している訳ではありませんから、独立性には劣るものの、広さ感を損わず、さほど広くないスペースでも有効な方法だと言えるでしょう。
《画像協力》
柏木工
今回は、視線を考慮した基本的なレイアウトの考え方をご紹介しました。実際に使う家具の形状などによっても、使い勝手や感じ方も変わってくる場合もありますが、ソファやダイニングテーブルのレイアウトを変えることで一続きのリビングダイニングが違った空間になるのがお分かりいただけたでしょうか。
レイアウトというと、スペースに効率よく置くかということに気が取られがちですが、視線が果たす役割はとても重要なポイントです。そこでの生活を思い浮かべながら、どんな空間にしたいのか視線にも注目するのを忘れないでくださいね。
【関連ガイド記事】
立てない!開かない!をなくそう →立てないとかぶつかるといったレイアウトは論外です!まずは基本となる寸法をおさえて。
大掃除だからこそ!レイアウトで親密度を変える?→ソファレイアウトの魔術は視線だけではありません。その並べ方で親密度も変わってくるのです。
アイポイントで素敵度UP!アート編 →視線といえばアイポイントも大切。パッと目に入る場所は素敵にデコレーションして。
【関連INDEX】
インテリアコーディネート計画の基礎→インテリアコーディネートするために知っておきたい計画の手順や、生活動線の考え方、レイアウトのポイントを集めました。