賃貸部分のメゾネットのいくつかは、やはり東面はすべてがガラスの開口部。そこが吹き抜けのあるリビングになっていて、玄関からそこへ降りていくタイプのものがありました。この場合は、玄関側脇にバスルームが設けられており、そこが箱状になっていて、リビングから見るとまるで家の中に箱が浮かんでいるように見えます。
またメゾネットにはもうひとつのタイプがあり、そちらは逆に、玄関から上の階に上がっていくタイプで、こちらの上階は東側がリビング、キッチンを通路にして西側がダイニングという造りになっていました。
さらにワンルームの部屋は、やっぱりぽっかり浮かんだ形の収納を仕切り代わりにしているのが特徴。リビング兼寝室とキッチンとの境にこれが使われています。この収納は壁で支えて下を開けてあるため、下を視線が通るため閉塞感がありません。狭いスペースをできるだけ広く見せるために有効な手法といえそうです。あちこちに遊び心があり、住み手の心のゆとりが試されているような、斬新なデザイナーズマンションでした。
■設 計:納谷建築設計事務所
http://www.f2.dion.ne.jp/~m-a.naya
■施 工:大同工業株式会社
●構 造 :鉄筋コンクリート薄肉ラーメン構造
●規 模 :地上6階建て
●敷地面積:246.71m2
●建築面積:186.41m2
●延床面積:932.62m2