■ 次は野口修アーキテクツアトリエ(野口修一)のデッキとパーゴラでつくるプラン。
こちらはコモンスペース全部を地元の杉材を使うデッキで覆い、敷地の中央にパーゴラ(藤棚ですね)を設置、それを水場(ビオトープ)が囲うというもの。これが各住戸のテラスとつなげていくわけです。
各住戸のプライバシーは少しあいまいになるでしょうが、逆にそれぞれの繋がりはグッと強くなるでしょうね。パーゴラには藤やキゥイフルーツなどを這わせ夏の日射しを和らげるそうです。またビオトープの水は、各住戸の雨樋から雨水を引いて使うということでした。
■続いてはHAN環境・建築設計事務所(花田勝敬)の自然に近づくパッシブデザインを重視したプラン。
ここでは敷地の中央に桜やケヤキなどが群生したセミパブリックなコモンスペースを設け、そこからセミプライベートなデッキテラス、そして各住戸のプライベート空間にいたるというゆるやかなグラデーションの重要性が示されています。核となるシンボルツリーのそばには小さな東屋やビオトープ(池)があり、余ったスペースを訪問客用のカースペースにするなど、ここでの生活の楽しさ・快適さを感じさせてくれるのプランでもあります。
■最後は「みんなで育てる・みんなで育つ」と題されたアスプル建築設計室(岩倉朗子)のプラン。
こちらはかなりコンセプチュアルなコモンスペースといえそう。外部とこの街区をはっきりと差別化しようという試みがうかがえます。まずコモンスペースへのアプローチは南側の一本道から、そしてそこから各住戸への「道」がつくれらています。5世帯の住民たちは必ず一度このコモンスペースを経てから外部に出ていくことになるわけですね。
コモンスペース中興にはシンボルツリーとそれを囲うパーゴラ、まわりには子どもたちが遊ぶ遊具広場やビー玉を地面に埋め込んだ広場、赤ちゃんをハイハイさせることができる芝生スペースや砂場があります。コミュニティの中で子どもを育て、同時にコミュニティの絆も深めていこうというのを意図したプラン、20代30代の若いママさんからには人気が出るでしょうね。
意欲的にして実験的ともいえる戸建てコーポラティブハウス「スロービレッジ こうぽらの森」の試み、さてさてどんなプランが選ばれ、どんな街づくりがなされるのでしょうか。絵に描いた餅ではない、建築家の実行能力も問われる試金石的なプロジェクトですが、その経過を見守りたいと思います。
設計プランの公募には20人の建築家からのプランが集まり、現在(2/25)は事業主3社による審査を通過した実現可能な優秀作11案に対してウィークエンドホームズのHP上で一般の建て主さんたちによる投票を行っている段階。この後は3月15日に上位5人を決定。そして3月27日に選ばれた建築家5人による一般参加のプレゼン大会を実施し最優秀作を決めるそうです。
※「スロービレッジ こうぽらの森」に関するお問い合わせは↓
■ウィークエンドホームズ社
http://www.weekend-homes.com/whc/index.html