建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

室伏次郎さんの快適マジックハウス アルテックの意欲作「平町の

室伏次郎さんのアルテックが設計した「平町の家」を見学しました。都立大に近い閑静な住宅街に建つその家は、外に開きながら中のプライバシーは万全というマジカルな箱といった印象の家です。

執筆者:坂本 徹也

個室を中と外の緩衝空間で
つなぎ合わせたマジカルな箱


 


室伏次郎さんのstudio ARTECが設計した「平町の家」を見学してきました。
都立大にほど近い閑静な住宅街に建つその家は、外に開きながら中のプライバシーは万全というマジカルな箱といった印象の家です。それは一歩この家に足を踏み入れた瞬間にわかります。
なぜって、玄関に入ってもそこは外に向かって開かれた外部通路のような空間だからですね。階段部や廊下といった場所はガラスの入ってない開口部を通して外気が感じられます。この家は移動空間は「外」という認識でいくつかの「個室」が散りばめられた構成になっているわけです。



まずうす暗い階段を降りて地下室を見ると、そこは主寝室。ちょっと「お化け屋敷」(失礼!)のドラキュラの部屋のような印象。だけどよく考えると、ここなら明日は朝寝坊を決め込もうと思うなら打ってつけと思える暗さ。その暗さ、静けさは「ゆっくり眠り英気を養う」には最適といえるかもしれません。そしてベッドの頭側につくられた一枚壁の向こうには、トップライトを持つスタディルームもあります。ちょっとした仕事を片づけ、明日はゆっくり寝坊をしようというにはもってこいの部屋ですね。

外部と内部があいまいな玄関から階段を昇って1階に上がると(地下はカースペース)、そこは踊り場で南北に分かれて2つの空間があります。ひとつは大人に近いお子さんの部屋でしょうか、かなり自分でどう使おうかを考えさせられる空間になっています。

部屋を2つに仕切る一枚壁は部屋に「明と暗」の選択を迫り、住まい方に対する「クリエイティブな発想」が求められているかのよう。平凡に考えれば開口部のある明るい空間はスタディルーム、仕切りを隔てた光の入り込まない空間はベッドルームということになるのでしょう。



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