リビングガーデンのある家

TAK(タカ)と題された石田敏明さんの作品です。
石田さんは「空間をわずかに不均質に仕立て上げ、知覚を刺激しようと考えています」と書かれていましたが、たしかにこちらも知的な刺激に満ちた建築物になっているように思います。
微妙なバランスのズレや素材感の不均質性が、そこに住まう人のかすかな緊張を生み、知覚を刺激する。それは毎日をそこで過ごす人にとって、くつろぎとはまた違った意味で必要なことかも知れません。とりわけ創造的な仕事をする若い人たちには、それが重要な意味を持つこともあるでしょう。フロストガラスの向こうに生活空間が見え隠れするというのも、ちょっとスリリングですよね。
石田敏明/石田敏明建築設計事務所



駒田剛司・由香さんの作品「HOUSE 9」です。
なるほど上から見ると、9の字に見えますね。9の真ん中のスペースが中庭というわけですが、そこから上がれる屋上テラスもまた、リビングガーデンの延長となっています。
駒田さんは「家はシンプルで丈夫な器であり、光と風の動きを肌で感じる場所」と書かれていますが、たしかにシンプルな形状、光と風の動きが常に感じられる家と言えますよね。だけどそれだけではない。家族がいつもお互いの存在を感じながら、そこここで対話&会話を楽しむことができる、そんな気持ちをおおらかにしてくれるような、仕掛けのある1軒だと思います。リビングガーデンって、ほんとに いいですよね!
駒田剛司/駒田建築設計事務所





紫富田啓一さんの作品「緑と暮らす家」。
一見よくあるふつうの住宅に見えますが、ある意味ほっとさせられるような安心感があります。紫富田さんは「外観や素材などの表には現れない部分への配慮を大切にしたい」と書かれていますが、この1軒にはそうした紫富田さんの意図がしっかり込められているようです。
しかし、屋根にある透明な部分はトップライト?それともソーラーシステムなのでしょうか? トップライトだとしたら、夏場はちょっと暑いかも…。庭に面して張り出しているのは、ガラスのグリーンハウスのようです。ここでは陽光を浴びながら優雅なアフタヌーンティーが楽しめるというわけですね。
紫富田啓一/リニアデザイン建築事務所

車を楽しむ家



若林秀和・晶子さんの作品「エフ・ハウス」。
クルママニアの建て主さんの欲望を満たした家です。若林さんは「建築物は図面工作的な部分が大きく、ちょっと荒っぽいナーと感じることもある」と書かれていますが、ここはその言葉どおり、構造体がそのまま見えてしまうような造りの1軒です。
ハッキリ言うと、まさに「大きなガレージ」といった印象。居住性がどうかは模型を見ただけではわかりませんが、子どもなら誰でもかくれんぼをして遊びたくなるような、ワクワク感に満ちています。ここで育った子どもは、やはり夢を追い続けるような、創造性のある大人になっていくような気がします。
若林秀和/tai_tai STUDIO