正社員の独身者も注意が必要
まず、正社員の独身者です。正社員の独身者が注意してほしいのは「収入を全部自分の生活に使う」生活に慣れてしまっていることです。正社員の独身者は男女とも比較的高い公的年金が期待できるのですが、それでも現役時代の収入のほうが高いのが一般的です。この落差があまりにも大きすぎると、セカンドライフがかなりしんどいことになります。公的年金を一人で15~20万円程度受けられるのは、実は多いほうなのですが、おそらく正社員の独身者は「これじゃ老後は苦しい!」と思うことでしょう。毎月30万円以上の収入をベースに自由な独身生活を謳歌していた40~50代を過ごす後に収入がほぼ半減してしまうのですから、当然です。
正社員の独身者は、貯蓄余力があることを活かして、老後のためにも資産を増やしていくことを考えてみてください。仮に毎週1万円の不足が考えられるとすれば老後全体(25年と仮定)で約1200万円が必要になります。老後も独身生活をエンジョイする予算を、現役時代から考えておきましょう。
非正規従業員の独身者も注意が必要
パートや派遣社員など不安定な働き方である独身者も、老後の資金準備には不安が残ります。こちらは正社員と比較すると年収が高くないため、貯められる力が弱い点が問題となってきます。また、厚生年金を適用されていない場合、老後の所得も大きく下がります。国民年金のみの場合と比べて厚生年金も受けられる場合は年金額が1.5~2倍になりますので、もし国民年金にしか加入していないのであれば、さらに老後資金準備の意識を高める必要があります。もちろん、未納はするべきではありません。
確かに、目の前の生活にいっぱいいっぱいである、ということはよく分かりますが、だからといって老後のことを考えないでよい、というわけでもありません。日々の仕事を続けつつも、キャリアアップのことは常に意識してみてください(正社員になるチャンスが突然やってくることがありますが、アンテナを張ることがまず大事です)。また、収入と支出がイコールの生活から脱却すべく、節約などの見直しを行うことも考えていきましょう。
なんとか住む場所が確保でき(親の家、でもよいのです)、年金生活に入って厚生年金で10~15万円程度の収入が得られれば、税金はあまりかかりませんので、20数万円の月収で家賃を払うのと同様の生活が可能になります。あきらめず、がんばっていきましょう。