冷蔵庫・冷凍庫/冷蔵庫関連情報

野菜真ん中で冷却効率UP!東芝・冷蔵庫

400L台も省エネがすすんだ冷蔵庫。唯一、野菜室を中央にしたレイアウトで、見事に省エネ性能を向上させた、冷蔵庫についてご紹介します。

執筆者:戸井田 園子

東芝「ピコイオン除菌 ウィルスハンター」搭載冷蔵庫「GR-B55F」

東芝「ピコイオン除菌 ウィルスハンター」搭載冷蔵庫「GR-B55F」

秋に新製品が多く発売される冷蔵庫ですが、2010年は年が明けてからも、新製品がちょこちょこ登場しています。注目ポイントは、やはり省エネ性能。

今まで大容量(500~600L)の省エネが一歩リードで進んでいたのに対し、400L前半の省エネがいまひとつ進んでいなかったのが現状。しかし、今期はこのゾーンも省エネがぐんと進化しました!

そこで今回注目したのが、高い省エネ性能を実現した東芝の冷蔵庫。野菜真ん中タイプには意味がありました。それでは、省エネ技術と使い勝手を含め、ご紹介します。


他社にない「ツーゾーンレイアウト」で省エネ!

各社いろいろな方法で省エネ性能を向上させていますが、今期の東芝は「ツーゾーンレイアウト」で勝負。冷蔵庫は大きく分けて、冷蔵室や野菜室の「冷蔵」と、冷凍室や製氷室の「冷凍」と、2つの温度帯があります。この温度帯をキレイに分けることで、さらなる省エネを実現しました。

冷蔵庫の構造上、温度帯が異なる部屋と部屋の間には、お互いの温度に影響を出さないために、温度コントロールヒーターが入った断熱仕切りが入れてあります。ヒーターには電気が使われていますので、この数か多いほど消費電力がかかることになります。

真ん中が野菜室の場合、冷蔵ゾーンと冷凍ゾーンが交互に配置されるため、断熱仕切り(赤いライン)は3ヶ所必要(画像:メーカーリリースより)

真ん中が野菜室の場合、冷蔵ゾーンと冷凍ゾーンが交互に配置されるため、断熱仕切り(赤いライン)は3ヶ所必要(画像:メーカーリリースより)

たとえば、今まで主流だった真ん中が野菜室の場合、冷蔵室の下に製氷室やチルドルームがあり、その下が野菜室だったため「冷蔵→冷凍→冷蔵→冷凍」と違う温度帯が交互になってしまい、ヒーターを3か所入れなくてはなりません。

 

真ん中が冷凍室の場合でも、今までは冷蔵ゾーンが2つに分割され、断熱仕切り(赤いライン)は2ヶ所入っています(画像:メーカーリリースより)

真ん中が冷凍室の場合でも、今までは冷蔵ゾーンが2つに分割され、断熱仕切り(赤いライン)は2ヶ所入っています(画像:メーカーリリースより)

そのため最近は、真ん中に冷凍の温度帯を集中させる、冷凍真ん中タイプが主流となりました。それでも「冷蔵室→冷凍室→野菜室」となるため「冷蔵」の温度帯は2つに分割されています。結果、ヒーターはまだ2か所必要です。

 

冷蔵ゾーンと冷凍ゾーンがきっぱり2つに分かれている「ツーゾーンレイアウト」なら、断熱仕切り(赤いライン)は1ヶ所に(画像:メーカーリリースより)

冷蔵ゾーンと冷凍ゾーンがきっぱり2つに分かれている「ツーゾーンレイアウト」なら、断熱仕切り(赤いライン)は1ヶ所に(画像:メーカーリリースより)

これに対し「ツーゾーンレイアウト」は、野菜室を冷蔵室のすぐ下にすることで、2つの温度帯を分けるレイアウトにしました。その結果、ヒーターは1か所となり、さらなる省エネが実現できるという訳です。いかにも理論的な東芝らしい発想!とても納得できる構造だと感じました。

 

ひとつだけ気になったのが、製氷室が野菜室の下に気になり、ちょっと低すぎて使いにくいのでは?ということ。しかし、実際にいじってみると、ガイドの身長(158cm)では気になることは無く、使い勝手としても大丈夫でした。


独自の「i-ツイン冷却」で、湿度85%の冷蔵室

そして、もうひとつの独自機能が、2つの冷却器を搭載する「i-ツイン冷却」。先の「ツーゾーンレイアウト」の温度帯ごとに、それぞれ専用の冷却器があります。では、冷却器が2つあるメリットは何なのでしょうか?

i-ツイン冷却なら、温度が安定しやすく湿度を高く維持できます(画像:メーカーサイトより)

i-ツイン冷却なら、温度が安定しやすく湿度を高く維持できます(画像:メーカーサイトより)

冷却器がひとつ(シングル冷却)の場合、冷凍用の冷気=低い温度で全室を冷やすことになります。そのため、温度変化が大きくなりがちです。また温度が低い空気ほど含まれる水分は少なくなるため、どうしても湿度が低くなりがちです。

しかしそれぞれ専用の温度帯ごとに冷却器があれば、温度が安定しやすく、湿度も高く維持することができるのです。

 

2日間ラップなしで冷蔵室に保存した食品 左:i-ツイン冷却/右:シングル冷却

2日間ラップなしで冷蔵室に保存した食品 左:i-ツイン冷却/右:シングル冷却

これにより、冷蔵室の湿度は85%をキープ。そこで、2日間ラップなしで冷蔵室に保存した食品を見せて頂きました。

シングル冷却の冷蔵庫と比べると、一目瞭然。ハムはもちろん、カステラも触った感じは天と地ほどの差がありました。

このように、むき出しのまま食品を冷蔵庫に入れることは、あまり無いかもしれません。でも、これだけ乾燥が防げるのであれば、お惣菜の残りモノは簡単にフタをするだけ充分大丈夫ですし、箱に入ったケーキもおいしく保存できると感じました。


「ピコイオン除菌 ウィルスハンター」で、庫内清潔&鮮度維持

また、今期力をいれているのが「ピコイオン除菌 ウィルスハンター」。イオン搭載は、他社も似たような展開をしているため、正直、目新しさは無いのですが、庫内の除菌・脱臭機能が搭載されたことは歓迎すべきことです。

「ピコイオン除菌」ユニット 1ヶ月に1度の給水が必要ですが、その分イオンが安定供給されるとのこと

「ピコイオン除菌」ユニット 1ヶ月に1度の給水が必要ですが、その分イオンが安定供給されるとのこと

他社と違うのは、イオン発生デバイスの「ピコイオン除菌」ユニットに、水を補給するという点。面倒くさいのでは? と感じますが、空気中の水分から生成するより、安定して供給できると聞き、なるほど~と納得。

給水は1ヶ月に1度、水道水を入れるだけですし、タンクに水が無くなってもマイナスイオンは発生し、雑菌の抑制をするとのこと。これなら、そんなに気にしなくてもよさそうですね。


細かな配慮で満足感UP

最後に、ガイドおすすめの便利機能をいくつかご紹介します。

■卵入れ
14個入る卵ケース。内側のケースをひっくり返してパックのまま入れたり、バラバラに入れたり使い勝手がイイ!

14個入る卵ケース。内側のケースをひっくり返してパックのまま入れたり、バラバラに入れたりと、使い勝手がイイ!

卵ケースの穴は10個が一般的。卵のバックも10個入りなのですが、買ってくるのは、まだ残りがある時。そのため、10個入りのケースだと不便を感じていました。

そんな些細な不満ですが、見事に解消してくれた心配りがうれしい卵ケースのカラクリ。14個まで入るだけでなく、ケースを裏返すことで、買ってきた卵をパックのまま入れることも可能。これはなかなか便利です!

 

■冷凍室の全面アルミトレイ
全面アルミトレイの冷凍室(画像:メーカーサイトより)

全面アルミトレイの冷凍室(画像:メーカーサイトより)

急速冷凍ができる小さい冷凍スペースだけでなく、大きいスペースの下段に全面アルミトレイが入っています。アルミトレイは、冷却効率が良くなり、霜付きも抑えてくれる優れもの。後から自分で入れられるモノですが、大きさがピツタリのトレイを探してくるのも大変なので、最初から入っているのは、うれしい仕様だですね。

 

■自動ドア
人気の「電動タッチオープンドア」。使ってみると本当に便利!(画像:メーカーリリースより)

人気の「電動タッチオープンドア」。使ってみると本当に便利!(画像:メーカーリリースより)

ガイド一番のお気に入りは「電動タッチオープンドア」。一度使うと、この便利さは手放したくないほど。特に、食事の支度中、両手が空かない時は非常に助かります! 既に10年の実績があるとのこと。人気の機能は、今年も健在です。

 


ガイドの結論~
400L台はまさにイチオシ!バランスの良い安心タイプ

派手な演出はありませんが、冷蔵保存を中心に基本機能・使い勝手・省エネと、3拍子そろったバランスの良い安心感のある冷蔵庫だと感じた東芝・冷蔵庫。

2010年2月には、同シリーズの420L台・3機種も新たに加わり全6機種が出揃いました。こちらは、401~450Lクラスで年間消費電力260kWh/年という、業界No.1の省エネ性を達成! 幅685mmの400L代後半より85mm小さい幅600mmなので、これなら置けるというご家庭も多いはず。このクラスで買い替えを検討していた人にとっては、一押しの冷蔵庫と言えるでしょう。

GR-B55F
GR-C43G
【メーカーサイト】
東芝・冷蔵庫サイト
「GR-B55」・メーカープレスリリース
「R-C43G」他・メーカープレスリリース
【編集部おすすめの購入サイト】
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