タイガー・ウッズ騒動の余波として「スキャンダル保険」が俄然、脚光を浴びてきた。企業と契約した選手がスキャンダルに巻き込まれた場合、潜在的な損失の可能性に損害補償をするのがスキャンダル保険だ。テレビCM料、広告や販売促進にかけた費用をカバーするというもの。この保険、アメリカではポピュラーだが、日本ではどうなのか? オールアバウト「損害保険」ガイドの平野敦之氏に聞いてみた。
「この手の保険には2つのタイプが考えられ、1つは企業側が自社を守るために加入するものと、もう1つは入る側が企業側に対して損害賠償するものです。スキャンダル保険は、基本的に企業側がかける保険が主ですね。ウッズの例でいうと、広告の差し止め、販促グッズの買い取りなど、早急な対応が必要に なった。それには莫大の費用がかかる。その損害を補償する保険です。
ウッズは契約料、出演料がべらぼうに高いから、企業からすれば当然リスクも高くなります。高い契約料、出演料を払う企業がある(ニーズがある)から成り立っているんですよ」
では、日本ではこの保険が成り立つのか? 「それが、ほとんど聞いたことがないですね」と平野氏は言う。
「日本の場合、保険をかける前に契約の段階で何かをしたらこうなるーというようなペナルティなどを決めてしまう傾向にあります」
さらに面白い分析も続けてくれた。
「日本人気質も働いていると思います。とにかく熱しやすく、冷めやすい。一時はあれだけ騒いだ昨年の草なぎくんも今では何ともありませんし以前と変わらず活動しています。こうした日本人の気質も多少なりとも関係しているところはあると思います。ただ、アメリカでも日本でもいえることは、景気の後退もやスキャンダルのリスクを考えると選手やタレント選びが慎重にならざるを得なくなっていることです」
“安全”な人を選ぶということが、双方にとっての“保険”ということか。
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