警察庁の発表によれば、2009年に全国の警察が認知した振り込め詐欺の被害総額は、約96億円。前年の約3分の1にまで、激減した。たった1年間で3分の1とは、驚異的な急減ぶりだが、なぜこんなに減ったのか? オールアバウト「防犯」ガイドの佐伯幸子氏に詳しい状況を聞いた。

「防犯」ガイド佐伯幸子

「防犯」ガイド
佐伯幸子

「一言で言えば、官民一体となった防止対策が、効を奏したということですね。銀行などの金融機関が、こまめに顧客に声をかける、警察官が市民に注意を促す、といったさまざまな取り組みによる効果が現れたのだと思います。また、狙われる市民の側の意識も高まり、注意するようになったという点も見逃せないでしょう」

振り込め詐欺のうち、最も被害が多い手口は、息子や警察官を装う「おれおれ詐欺」で、その次が、料金の未払いを装って不正請求する架空請求詐欺だ。

「架空請求詐欺は、2001年秋ごろから多く見られるようになり、携帯電話の普及と共に、被害が拡大しました。特に、請求額が2~3万円程度と、若者でも支払える程度の小額であることが、若い世代の被害を助長しています。架空請求詐欺は知識があれば防げる被害なので、あわてずに情報を得るようにしましょう」

次から次へと、新手の詐欺が登場する昨今だが、最近では、どんなタイプの手口が登場しているのか?

「今のところ、新手の詐欺手法というのは、まだ出てきていません。むしろ、名称の元になったおれおれ詐欺の手法が、目だっています。少し前に、郵便局のエクスパックなどを利用した手口が話題になりました。ただ、こうした手法は足が付きやすいということで、古株の犯行グループを中心に、おれおれ詐欺に回帰する傾向にあります」

最後に、私たちが注意すべき要チェック・ポイントを聞いた。

「一つ目は、情報をもつこと。現在どんな手口がはやっているかなどについて、アンテナを張ることが大切です。第2に狙われやすい高齢者がいる家庭では、自分や家族が被害に遭うとしたらどんなケースなのか、想像してみること。第3に家族間でコミュニケーションをとることです。不審な電話がかかってきたら、どいう対応すべきかなど、具体的な対策を話し合っておくといいでしょう」
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