外債なのに為替リスクがない、「円貨建て外債」
サムライ債って、何?
購入時の払い込み、利子・償還金の受け取りのすべてが、日本円で行なわれる外国債券です。外貨建てではないので、外国債券でありながら為替リスクがありません。
■サムライ債:外国の発行体が、日本の市場で、日本円建てで発行するものです。日本の投資家向けに発行しているといえるでしょう。また発行体は、低金利である日本円で資金調達することによって、資金調達のコストを抑えることができます。
■ユーロ円債(※):日本や外国の発行体が、日本以外の市場で発行する円貨建て債券です。発行体には低金利の円によって資金調達コストを抑えられるほか、日本の規制外のユーロ市場(※)での発行のため、日本市場での発行よりも低コストで発行できるなどのメリットがあります。外国の市場で発行されるため、日本人から見ると、その市場のカントリーリスクがあります(市場のある国の政治・経済の混乱などの影響を受けるリスク)。
※ここでいう「ユーロ」や、ヨーロッパの通貨単位のユーロではなく、ユーロ市場のことです。ユーロ市場とは、発行国以外の通貨取引の市場のことです。
中間的性格の、「二重通貨建て外債」
購入時の払い込み、利子・償還金の受け取りが、2種類の通貨で行なわれる外国債券です。外貨と円貨の両方建てにすることによって、為替差益が狙えるというメリットを享受しつつ、為替差損を被る可能性があるというリスクを軽減させています。外貨建てと円貨建ての中間的な色合いです。
■デュアルカレンシー債:
購入時の払い込みと、利子の受け取りは日本円、償還金の受け取りは外貨で行われます。利子の金額はあらかじめ確定されますが、償還金の金額は為替によって変動します。つまり、償還金に為替リスクがあります。
■リバースデュアルカレンシー債
購入時の払い込みと、償還金の受け取りは日本円、利子の受け取りは外貨で行われます。償還金の金額はあらかじめ確定されますが、利子の金額は為替によって変動します。つまり、利子に為替リスクがあります。