資産運用

「貯蓄から投資へ」は必要ないと約6割が認識(2ページ目)

野村アセットマネジメントが毎年実施している「投資信託に対する意識調査」(第5回目)の結果が、2010年1月に発表されました。その結果の中の一つに「投資にはリスクがあり、【貯蓄から投資へ】は必要ないことだと思う」という回答が約6割を占めました。

平田 浩章

平田 浩章

ファミリーのためのお金入門 ガイド

家計相談件数300件を超えるFP実務家のガイドが、家族を幸せにするのに必要なマネープランの知識を基礎から紹介。

プロフィール詳細執筆記事一覧

もう一つ違和感のある結果が・・・

 投資保有者を対象に行った「タイプ別投資信託に対するイメージ」の調査結果の傾向は下記のとおりです。

●長期投資に適していると感じる投資信託
⇒1位 バランス型 29.9%  2位 マネー型(MRF、MMF)23.2%

●短期売買に適していると感じる投資信託
⇒1位 新興国中心の海外株式投資信託 22.5%

資産運用の正しい知識を持っている人から見ると、逆の捉え方になっていることが分かります。
 

「貯蓄から投資へ」の掛け声だけではダメ

「投資」と「投機」は違う。正しい投資の知識を身につけたい

「投資」と「投機」は違う。正しい投資の知識を身につけたい

マネー型の安全性重視の金融商品は、その安全性から短期資金の活用に向いており、逆に高い収益性は期待できるもののリスク(=ブレ)が大きい新興国株式などは、長期的な経済発展の中でその収益性を実現しつつリスクの低減を図る意味からも、長期運用に向いていると言えます。

調査の結果はその逆の認識を示しており、投資信託の位置づけが短期売買のマネーゲーム的なものになっていることを示唆しますが、本来、投資信託という金融商品の性質は短期売買よりも、長期の資産形成に適したものです。

投資信託などの金融商品の仕組みなどについて、正しい知識の習得と正しい金融商品の活用の両輪は、今後の個人のライフプランや資産形成には必須になっていきます。

国の「貯蓄から投資へ」の掛け声だけでは難しいかもしれません。正しいマネーの知識と行動力を身につけた人から、ゆとりをつかみとれる時代になってきました。
 

【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonで資産運用の書籍をチェック!楽天市場で資産運用関連の書籍をチェック!
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品や投資行動を推奨するものではありません。
投資や資産運用に関する最終的なご判断はご自身の責任において行ってください。
掲載情報の正確性・完全性については十分に配慮しておりますが、その内容を保証するものではなく、これに基づく損失・損害などについて当社は一切の責任負いません。
最新の情報や詳細については、必ず各金融機関やサービス提供者の公式情報をご確認ください。

あわせて読みたい

カテゴリー一覧

All Aboutサービス・メディア

All About公式SNS
日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
公式SNS一覧
© All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます