「みったくない（※北海道弁で不恰好な）ほど旨い」といわれる北海道の魚。その代表格が、このカジカ（トゲカジカ）。ヌルヌルとグロテスクな風体をしていますが、よーく見ると少し寄り目で扁平な顔は愛嬌たっぷり。トゲカジカはカジカ類の中でもっとも味が良く、お鍋にすると最高です。あまりのおいしさに箸がすすみ、鍋底をつついて壊してしまうという意味から、鍋壊しとも呼ばれています。地元っ子が楽しみにしている冬の美味なのです。
トゲカジカは身だけではなく、キモ、胃袋、皮、ヒレなど捨てるところのない魚。特にオレンジ色に輝くキモは、深いコクがあり、アンコウのキモ以上、いやフォアグラ以上と絶賛する人も多い。皮の部分はゼラチン質でコラーゲン豊富で、お肌にも良さそう。
そんなカジカを味噌仕立ての浜鍋で楽しませてくれるのが、小樽の【日野亭】。カジカは前浜で揚がったものを使用。ぶつ切りにしたカジカを塩でもみ、熱湯で臭味を抜くのがおいしく仕上げるコツ。そのほかの具は大根、ジャガイモ、ネギ、ニンジンとシンプル。店主の日野さん曰く、「本場のカジカ鍋には豆腐や白菜、キノコなんか入れないのさ」。ジャガイモが溶けかかって、ちょっとトロっとした汁が美味。一味をふるとおいしさがアップ。旬を迎えた身は肉厚で、食べ応え十分。濃厚なキモはそのまま食べても良し、汁に溶いてもまた良し。身も心もあたたまる鍋壊しは、満足満腹間違いなし！
日野亭は近海の魚介類を使った料理が自慢。カニ鍋、キンキ鍋、アンコウ鍋など、海鮮鍋のメニューも豊富です。
●住所：小樽市花園1-7-7ニ塚ビル1F TEL：0134・27・1851 交通：JR小樽駅から徒歩10分 営業時間：12時～23時 料金：カジカ鍋は2600円（2人以上で要予約）※カジカは漁が不安定なので、早め（3日前）の予約が確実。
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