見直されつつある神前挙式

11月15日に行われる紀宮さまの結婚式。まず、挙式についてですが、スタイルは神前式、場所は帝国ホテルの神殿とのこと。皇室と神道の関係については賛否両論、諸説あると思いますが、関わりが深いのは事実であって、紀宮さまの結婚時が神式で執り行われるのは自然の流れといってもいいでしょう。

紀宮さまの結婚式に見る現代結婚式事情
最近では神前挙式がかえって新鮮に!
帝国ホテルの神殿は滋賀県にある多賀大社の分社。多賀大社は伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)と伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)を御祭神としていますから、結婚式をするにはまさにぴったり。なお、紀宮さまの挙式の場合、式をつかさどる斎主は伊勢神宮の北白川道久大宮司が務めます。もちろん、一般の人がここで挙式する場合、斎主は指定できません。

ちなみに、神前挙式についてですが、よく「古式ゆかしい」なとどいう表現がされますが、実際にいまあるようなスタイルが生み出されたのは明治33年(1900)年のことで、歴史は100年ほどしかないのです。その背景には明治政府の「国家神道」政策などもあったといわれますが、一般庶民に根付いたのは戦後のことです。

昭和40年代頃までは挙式といえば神前式でしたが、昭和50年代後半頃からキリスト教式で挙式をする人が増え始め、現在では8割近くがキリスト教式で挙式をするに至っています。けれども、最近は徐々にではありますが、神前挙式も見直されつつある様子。キリスト教式の挙式が一般化してしまったいま、逆に神前挙式が新鮮に映るため、個性的な結婚式をしたいというカップルからの支持が増えているようなのです。今回の紀宮さまの結婚式で、神前挙式人気にさらに弾みがつくかもしれませんね。

お色直しは少なめに

次は気になる衣装について。紀宮さまは挙式にはロングドレス、披露宴には和服をお召しになられるとか。神前挙式なのにドレス?と不思議に思われる人もいるかもしれませんが、神前挙式だから和服を着なくてはならないという決まりはありません。きちんとした装いであれば、和装でも洋装でも構わないのです。そして、披露宴では一転して和服。美智子さまが若い頃にお召しになった振袖をこの日のために用意しているという話も。母から娘へと衣装が受け継がれるのって、とても素敵なことですよね。

紀宮さまの結婚式に見る現代結婚式事情
ウエディングドレス1着で通す人も増えている
さて、衣装について一般の傾向をみてみますと、着用する点数は少なくなる傾向にあります。お色直しは1回という人が多く、最近ではウエディングドレス1着で通す人も見かけられます。お色直しをする場合、披露宴の席を中座する必要があるのですが、その時間を嫌う人が増えているのが、お色直しが少なくなっている理由のひとつ。また、せっかくこだわって選んだウエディングドレスをできるだけ長く着ていたいからという理由で、お色直しをしない人も多いようです。

また、挙式と同様、和風回帰がみられるのも特徴です。なかでも人気を集めているのが黒引き振り袖。これは黒地に模様を描いた振り袖で、おはしょりをあまりとらずに裾を引きずるようにして着用します。色打掛けに比べると華やかさにはやや欠けますが、しっとりとした大人の雰囲気があり、凛とした美しさも感じさせるところが、人気の秘密ではないでしょうか。

お色直しでの和装の場合、ヘアスタイルも洋髪にし、手にはブーケを持つといった、洋風スタイルを取り入れるのも最近の傾向です。紀宮さまのように振袖を着る人も少なくなく、その際は振袖の上からオーガンジーなど軽やかな素材で作った打掛けをまとい、華やかさをプラスするようなアレンジも注目を集めています。

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