ハーブの使い方とタレがおいしさの決め手
カオマンガイの主役といえる、鶏肉とお米のおいしさもさることながら、ワタシがもっとも魅せられたのは、「香り」のよさと「タレ」の旨さである。炊き上げるときに加えるバイトーイとしょうが。これを惜しげもなく使っているので、釜フタをあけたときに芳しい香りがたちのぼり、体内にも清涼感が心地よくかけめぐる。こんな香りの演出ができるのは、まさにこだわりの証拠。
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甘口、辛味の2種類のタレにつけて食べる。辛口タレには果肉感あり。シンプルなごはんにグラデーションを添える、タレの存在も然り。
鶏釜飯にかぎってではないが、店で使うタレは、バンコク出身の若き料理人がこだわり、すべて手作りしているという。
鶏釜飯の辛口たれには複数の材料がはいっており、そのすべての材料がうまい具合に織りかさなって複雑な香りを演出する。
双方とも脇役ながら、主役を引き立てる重要な役者。この部分にブレがないから、この店の鶏釜飯はゆるぎない美味しさがあるのだと感じられた。
ごはんが炊き上がるまでには、20分ほど時間がかかるのだが、日本人による日本人のための「カオマンガイ」が食べられるのだもの。待つ時間などなんのその。近い将来、逆輸入することもあるかもしれない?!ですから、この店を訪れたら、一度は口にすることをおすすめします。
鋭角的な辛さを秘めたエネルギッシュな料理たち
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辛さがバシッときいた「豚ひき肉のバジル炒めごはん」。ごはんとおかずをひと皿に盛り合わせたごはん料理は、この店の得意技。「ソウルフードバンコク」には、鶏釜飯のほかにも定番料理がひと通り揃っている。それらの料理をひとことで表現するならば、まさにエネルギッシュ。
鋭角的な辛さがきいた若さあふれる荒々しい印象だ。だが、いたるところに独自性とセンスが光り、料理に対するこだわりもかなりのもの、とお見受けした。