素材のおいしさをストレートに伝える至福の前菜!
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注文必須の「美味しいトマトと無農薬ルーコラのサラダ」(1,100円)。 |
「美味しいトマトと無農薬ルーコラのサラダ」(1,100円)は、「エノテカノリーオ」でボクが最も好きな「福島産無農薬ルッコラと夢咲トマトのサラダ」と同じです。限りなくシンプルですが、これを食べずに帰ることはできません! ルッコラの濃厚かつ力強い味わいに、口にした人は皆驚きますね。
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まろやかさが際立つ「カポナータと自家製リコッタのサラダ」(900円)。 |
「カポナータと自家製リコッタのサラダ」(900円)は、茄子やトマト、玉葱などを使ったイタリアを代表する野菜煮込みです(フランスでいうところの「ラタトゥイユ」)。味の深みやコクはもちろんですが、特に際立つのがまろやかさ。リコッタチーズと一緒に食べなくても、煮込みの部分だけを口に含んでも、まろやかさを強く感じるんです。カポナータってこんなにおいしいものかと、つくづく思い知らされました。
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トリュフの香りが心地よい「地鶏白レバーのパテ」(600円)。 |
「地鶏白レバーのパテ」(600円)は、しっかりとしたコク、風味を備えたパテを、カリカリのバゲットとともにいただくのですが、味の決め手はふわっと舞うトリュフの香り。強くもなく弱くもなく、絶妙な香りの盛り込み方ですね。
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毎日でも食べたい「白いんげん豆とサルデーニャ産のカラスミ トスカーナの上質なオリーブオイル仕上げ」(1,200円)。 |
「白いんげん豆とサルデーニャ産のカラスミ トスカーナの上質なオリーブオイル仕上げ」(1,200円)は、ホクッとした白いんげん豆にカラスミを和えてあるのですが、まず最初にカラスミの香りがぐっと出て、最後をオリーブオイルの爽やかな香りで締めくくる感じ。とても素朴な味わいですね。
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とてもジューシーな「茨城産仔牛胸腺肉のロースト、無農薬ルーコラ添え」。 |
この後、しっとり&ジューシーに焼き上げられたリー・ド・ヴォーと、力強いテイストのルッコラを盛り合わせた「茨城産仔牛胸腺肉のロースト、無農薬ルーコラ添え」を食べて前菜が終了したわけですが、どの料理にも共通していえるのは、素材のおいしさがストレートに伝わってくるということ。あれこれいろいろ考えなくても、素直においしいと思えるものばかりなんです。結局のところ、こういった料理が「飽きのこない料理」なんですよね。
「乾麺」、「手打ち」ともに特筆もの!
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潮の香り漂う「モンサンミッシェル産ムール貝のバベッティーニ」(1,800円)。 |
続いてパスタですが、これはもう「エノテカノリーオ」同様、文句なしに美味です。ただ、タリオリーニ1つとっても、麺の表情(タイプ)は異なります。つまり、麺を作る時に使う粉と卵の配合の比率が違うのです。「ヴィノリオ」のほうがセモリナ粉の配合がやや多めで、程よいちぢれもあります。「お客の心にストレートに響く繊細な料理を提供する」という芯の部分はしっかりと守りながらも、すべてを「ノリーオ色」に染めるのではなく、「ヴィノリオ」ならではの一面が垣間見えるところも魅力的ですね。
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カルボナーラに見立てた「冷たいカルボナーラスパゲッティーニ」。 |
「冷たいカルボナーラスパゲッティーニ」は、一見普通のカルボナーラのような感じですが、ヴィシソワーズ、うずらの卵、トスカーナの生ハムなどを使った、言ってみれば「カルボナーラもどき」。「ヴィノリオ」にしてはとても珍しい、遊び心のある一品ですが、これにはとにかく感動しましたね。心をくすぐるトリュフの香りも印象的で、またリクエストしてしまいそうです。
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魅惑的な香りを放つ「焼き鮎と枝豆のスパゲッティーニ」(1,600円)。 |
小さく刻まれた焼き鮎、加賀太きゅうり、枝豆を使った「焼き鮎と枝豆のスパゲッティーニ」(1,600円)は、鮎から漂うきゅうりのような香りと、本物のきゅうりから放たれる清涼感溢れる香りが、魅惑的な香りの二重奏を奏でます。枝豆の香りも後押しして、その組み合わせの良さをつくづく実感させられます。
傑作夏パスタ!
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夏には絶対に食べたい「対馬産肉厚アナゴと三つ葉のタリオリーニ」(1,600円)。 |
そして、この日パスタで最も心を打たれたのが、「対馬産肉厚アナゴと三つ葉のタリオリーニ」(1,600円)です。持続性のあるタリオリーニの旨み、穴子の豊満な旨みと香り、トマトの程よい酸味、三つ葉の爽やかな香りとシャキシャキ感。つけ入る隙は全くないですね。これまで食べたパスタの中でも、3本指に入ってしまうほどのおいしさ! 来年の夏は、またメニューに載せてくださいね、シェフ!
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