知る人ぞ知る洋菓子店!
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店長の石田浩子さん。ショーケースの前で。 |
ボクが最も好きな寿司屋「入船」から、50mほどのところにある、知る人ぞ知るケーキ屋さん。ショーケースの中には、ドイツ産の最高級ゼラチンを使ったゼリーをはじめ、万人に愛されるケーキたちが10種類ほど並べられています。店長の石田さん自身が心から作りたいと思うもの、そして食べたいと思うものだけを商品として店頭に出すのが彼女のポリシー。
ゼリーと並ぶお店の看板商品!
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ボクが、2000年8月のオープン時からハマっている「石だたみプリン」。 |
最も目につくのが、幅12cm、長さ17cmの陶器に、薄くスライスしたバゲットを石畳のように敷き詰めた「石だたみプリン」(1,260円)です。バゲットの下には、たまごとヴァニラが渾然となった素朴でやさしい味わいのアパレイユがたっぷりと入っていて、そのふるふるやわらかな舌触りにしばし陶酔。見た目のインパクト以上に豊かな風味を醸しています。
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ボクはいつも1人で食べちゃいます。 |
最も衝撃的なのが別添えのカラメルです。色が透き通った薄茶色であるにもかかわらず、カラメルのほろ苦さが極限まで引き出されていて、なおかつサラサラ。「こんなカラメルが存在するなんて…」というのが正直な感想。限りなくサラサラなので、ほろ苦さを感じるのはほんの一瞬。サラ~ッと喉を通り過ぎた後には、スッキリとした甘さが残ります。これを味わえば、別の容器に入れている理由がはっきりとわかることでしょう。
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右奥のスタンダードな「カスタード・プリン」もおすすめです。 |
このカラメルがアパレイユに絡んだ時のおいしさは、もはや例えようもありません。アパレイユのみだと若干甘めですが(バゲットの塩気があるのでなおさら)、カラメルをかけることによって表情がキリッと引き締まり、ベストな塩梅をつくりあげるのです。双方が一体となってはじめて完全体となるわけですね。2~3人で食べてちょうどいい量ですが、プディング好きなら1人で独占したくなってしまうかも。ヴィジュアル的にも最高なので、パーティに出せば主役になること間違いなしです(陶器を返却すると200円返金)!
「ゼリー」といえばこれ!
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果肉がたっぷり入った「グレープフルーツゼリー」。最近小さなタイプも登場しました。 |
ゼリー系では、「グレープフルーツゼリー」(525円)が出色。このお店云々ではなく、ボクはこれ以上においしいゼリーを食べたことがありません! グレープフルーツは、赤と白の2種類を使用。皮を剥いてシロップに漬け込んだフレッシュグレープフルーツが、透明の容器にゴロゴロゴロ。ゼリーはつなぎ程度にしか入っていないので、パッと見た感じではグレープフルーツの果肉しか入っていないんじゃないかと思うほどです。
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ゼラチンをギリギリまで抑えているので、長時間の持ち運びは厳禁です。液体化してしまいます。 |
口に含むと、何よりも先に「フレッシュ感」を実感。ひと噛みごとに果汁が弾け、酸味と甘みの見事なコラボレーションを奏でます。しかも、ゼリーはゼラチンの量をギリギリまで抑えてあるので、スルスル~ッと喉を通ります。柑橘類(特にグレープフルーツ)に多く含まれるクエン酸でゼラチンが固まりにくいことも計算に入れた上でのギリギリのバランス。食べるたびに惚れ惚れしますね。特に夏の暑い時期には欠かせない一品です。
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ボクが選ぶ3大パウンドケーキの1つ「バナナケーキ」について。