寿司/おすすめ寿司屋

入船(奥沢)(2ページ目)

マグロを食べるならここ! 常に築地一番のマグロを仕入れる奥沢の寿司屋です。拙著「美食の王様 究極の167店 珠玉の180皿」においても総合No.1! ボクにとっては、もはや特別な場所です。

執筆者:来栖 けい


マグロといえば赤身です!

赤身
戸井産本マグロ(240kg)の「赤身」(2006年9月18日)。
「赤身」(630円)は、爽やかな血の香りと近海ものならではの独特の酸味。何といってもこれに尽きます。しかも驚いたことに、入船が仕入れるマグロは、この赤身の部分にまで細か~いサシが入っています。特に冬場はスゴイ。赤身の概念を根底から覆されることでしょう。ヅケにするとその旨みがギュ~ッと凝縮。ねっとりとした口当たりと独特のコクを実感できます。


誰もが唸る中トロ!

中トロ
戸井産本マグロ(240kg)の「中トロ」(2006年9月18日)。
「中トロ」(1,260円)は、ビロードのような艶。赤とピンクのグラデーションが実に美しく、身質のきめ細かさと品の良い甘い香りが魅力的です。特に背ビレの下にある分かれ身(滅多に食べられない)が最高ですね。


マグロのすべてが堪能できます!

マグロづくし丼
見た目も美しい超豪華な「マグロづくし丼」。
マグロのすべてを堪能したいのであれば、「赤身」、「中トロ」、「大トロのにんにく醤油」、「カワギシの軍艦」、「3種類のあぶり」を盛り合わせた「魅惑のマグロ7点盛り」(9,765円)や、「赤身」、「中トロ」、「大トロ」、「カワギシ」、「大トロのあぶり」を12貫分ほど盛りつけた「マグロづくし丼」(10,500円)をオーダーするのが賢明でしょう。


マグロだけではありません!

アナゴの白焼き
梅肉&煮キリでいただく「アナゴの白焼き」。
勘違いしないでほしいのは、「マグロだけが旨いのではない」ということ。佐島のタイ、大原のアワビ、青森のヒラメに三陸のホシガレイ…。そのすべてが段違い。個々の魚のおいしさは大前提。なおかつその中に「マグロ」という看板があるわけです。


コハダ
ボクがいつも一番最初に食べる「コハダ」。
これまでに食べたマグロ以外のにぎりで、特に印象深い一品を挙げます。


シマアジのヅケ
最近になってはじめた「シマアジのヅケ」。マグロにも決してひけをとらない圧倒的な旨さ!
2005年7月8日の「シマアジのヅケ」(630円)…希少価値の高い神津島産の天然ものを使用(市場に出回るシマアジの98%は養殖です)。もちろんそのままでも充分おいしいのですが、ヅケにした時の凝縮された旨みと、豊かすぎるほどの香り、ネットリとした舌触りは、他の何ものにも代えられません! 程よいキレを備えた煮キリと、シマアジの脂が奏でるマリアージュには、誰もがうっとりしてしまうことでしょう。


タイ
入船の白身で最も感激する頻度が高いのが「タイ」。
2000年3月13日の「タイ」(420円)…佐島産の1.8kg。湯引き(皮目に塩をして5、6分置き、熱湯をかけて氷水(塩入り)で冷やす)したものを使用(煮キリでいただく)。キュッと締まった身を噛み締めるほどに、白身とは思えないほどの味の濃さを実感します。甘みの強さ、旨みの強さ、そして鼻に抜ける香りの強さ、そのすべてが段違いです。特に皮と身の間の脂が美味! よく皮を剥いでしまうようなところもありますが、ボクにとって、タイは皮つき以外は考えられません。


アナゴ
梅雨の時期の「アナゴ」に勝るものはありません!
2003年7月6日の「アナゴ」(420円)…中ノ瀬(東京湾中央部の水深が浅く、藻がよく育つところ)のものを使用。煮上がって程よく粗熱がとれたところを、煮ツメ、または藻塩&ゆずでいただきます。口に含むと瞬時に旨みが爆発。と同時にふっくら肉厚の身は跡形もなくとろけます。後口に残るその豊満な香りは、ちょっとやそっとでは消えていきません。また、ボクは毎回白焼きのアナゴもにぎりにしてもらうのですが、これがまた格別に旨い! 梅肉の酸味と香ばしさが加わった脂の旨み。もうたまりませんね。ベストは2001年7月6日のものでしょうか。


サバ
これは白板昆布ヴァージョン。
2000年12月1日の「サバ」(525円)…三陸産の1.6kg。通常は1.3~1.4kgくらいのものが多いのだが、この日は少し大きめでした。入船では2通りの食べ方があります。1つは、ネギやにんにく(醤油漬け)、白板昆布とともに。そしてもう1つは、醤油に漬け込んだ青唐辛子とショウガをちょこんとのせて。どちらも甲乙つけ難いおいしさなので、ボクは必ず両方食べます。特に青唐ヴァージョンは、この入船に来てはじめて知ったおいしさ。9月頃の走りのサバとあわせると青唐が勝ってしまいますが、晩秋から冬にかけての脂がたっぷりとのったサバとの相性は文句なし! この日のサバは、脳髄を直撃するほど旨みが強かったので、青唐の辛み、ショウガの辛みがベストバランスで調和していました。


イワシ
ボクがマグロの次に好きな魚がこの「イワシ」。
2002年7月29日の「イワシ」(420円)…銚子産の丸々太った大羽イワシを使用。こちらも2通りの食べ方で。1つはショウガ、アサツキ、煮キリとともに。もう1つは、イワシの身を例の青唐醤油に漬け込み、上に青唐&ショウガをのせていただくスタイルです。やわらかな身から放たれる旨みや香りは、マグロに匹敵するほど強烈なもの。青唐ヴァージョンともなると、赤身のヅケ同様旨みがギュッと凝縮されるので、一度食べたら病みつきですね。


カツオ
これ以上の「カツオ」があるのか! と思うほどのおいしさ!
2006年3月26日の「カツオ」(420円)…な、な、なんと! その重さは20kg! かつて出逢ったことがないほどの桁違いの大きさです。繊維が実に細かく、爽快感ある香りと豊かな脂の旨みが渾然となって味覚を圧倒します。ネギ、ショウガ、にんにく、煮キリとともにいただきました。これほどのカツオには、今後も出逢えるかどうかわかりませんね。


タチウオのあぶり
口にした瞬間「旨い!」と思える「タチウオのあぶり」。
2006年8月13日の「タチウオのあぶり」(525円)…東京湾でとれた肉厚の太刀魚(腹の部分)に藻塩を振り、しっとりやわらかく焼き上げた一品です。口に含むと同時に爆発する豊満な脂の旨みと程よい香ばしさが、忘れられない余韻を残してくれます。


ホシガレイのエンガワの塩あぶり
白身も持つ脂のおいしさを堪能できる「ホシガレイのエンガワの塩あぶり」。
この他にも、藻塩によって引き出された脂の旨みをフルに実感できる「ホシガレイのエンガワの塩あぶり(2000年7月7日)」(840円)や、滋味深さを凝縮したかのような奥深~いコクと甘み、そして磯の香りを放つ「アワビの肝(2006年9月3日)」(420円)、卓球のラケット級の大きさを誇る「トリ貝(2000年4月14日)」(1,050円)など、挙げ出したらキリがありません。


アワビの肝
ぷっくりと今にも破裂しそうな「アワビの肝」。
1つ1つがしっかりと記憶にインプットされています。


次ページは、にぎり以外のおすすめ品について。
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