失恋の痛みがぶり返してきた……傷にするか糧にするかの境目は?
いい恋愛には潔さと勇気が必要不可欠! そして、失恋をちゃんと癒せる対処法も。大人ならではの失恋荒療治って?
だけど、勇気を振り絞ったものの、うまくいかない恋愛も当然ある。本気で燃えた分だけ、火傷を負う確率は高い--。そんな時、どうすればいいのだろう?
失恋の痛手を傷にするか糧にするか、それは失恋後の治療法にかかっている。
恋愛に絶対のマニュアルはないと日々思う私でも、失恋の立ち直り方には基本のセオリーがあるように思える。特に、大きな失恋に慣れてない(=しばらく、本気の恋をしてないから、失恋の免疫もない)大人にこそ、試してほしい特効薬はある。
失恋の痛みのぶり返しを癒すSTEP1:感情の吐露
まずは、自分の感情に徹底的に素直になってみること。恋愛も仕事も過去に一通りの経験を積んだつもりの30女は、どうも失恋した時に傷ついてはイケないと思っているフシがある。「いきなり彼から連絡こなくなっちゃったけど、まぁ、私も忙しかったし。しょうがないよね……」なんて友だちに事後報告して、「ま、こんなもんよ。もう大丈夫」と軽く笑い飛ばそうとする。カッコいい大人の女であろうとふんばっているのだろうし、友だちにグチるなんて「大人げないことしたくない」という気持ちはよーくわかる。口汚く暴露する必要はまったくないし、言いたくないなら言わないのもまた美学。
でも、自分の気持ちだけはゴマかさないで欲しい!
男子の身勝手に振り回されてヘトヘトに疲れて別れを選んだ時、女友だちに「もっと後悔してもいいし、憎んでいいよ」って言われて泣きそうになったことがある。「いい恋愛だった」と口では言ってみたものの、本当は、思い切り泣きたかったし、憎みかったんだと思う。
大人の女だって、泣いていいし、憎んでいい。憎むことはいけないことではないし、傷つくことは弱いことでもない。本音を忘れようとしたり、隠そうとすることのほうがよほど不自然だ。臭いものにフタをして、自分の感情から逃げるクセをつけると、絶対にツケがまわってくる。自分が自分の腐臭に耐えきれなくなるから。
湧き出して来る、複雑な感情にフタをしないこと。そのドロドロをちゃんと見ておくこと。失恋に限らず、心の傷は自覚することで8割は癒えると心理学的にもいうけれど、本当にその通り。友だちに話せない人は、紙に書いてみるといいと思う。ツライけど、ココから逃げないことで必ず視界が開けるから。
ただし、ココでは終れないし、終わったら、単なるグチ女。
失恋の痛みのぶり返しを癒すSTEP2:自己分析して、笑いのめす
失恋に限らず、悲しいことやつらいことは逃げずに向き合うこと。そして、客観的に見て笑えるようになれたら、味のある大人になれそうな気がする。
それは、運命の皮肉であったり、自分の至らなさであったりする。どんなにダメ男であろうとも、失恋の非は彼だけにあるわけじゃない。必ず、自分にもある。それを上っ面ではなく、心の底から認められるようにもなる。終った恋愛を通じて、自分について深く分析できるようになる。ここまでくると、かなりスッキリして気持ちいいけど……。
ここからは、個人的な趣味だけど、私は終った恋を分析しつくした後に、“笑い”に変換しちゃう。
「彼に夜中に電話かけて、ワンギリされた自分」→少女マンガのヒロイン気取りが、ホラーマンガになってるわ!(笑)
「彼の見た目のカッコよさだけに惑わされていた自分」→もう30代なのに、高校時代と何ら変わりないなぁ(笑)
ちょっと自虐的な笑いだけど、自分も相手も含めて笑っちゃう。というか、笑える!
恋愛って非日常の感情だからこそ、平静に戻った時に笑えてしまう。
「何であんなに衝動的になったんだろう」とか、「あの男子って冷静に見ると……」なんて、意外な自分や悲しい事実を冷静に見つめているうちに、あんなに深刻なことも、大きな目で見れば、笑いや味わい深い出来事に変わっていく。
もちろん、ココまでたどりつくのは簡単じゃない。笑いながらも、まだムカついてたり、泣いちゃったりもすることもあるかもしれない。でも、混沌とした感情にまみれながら、少しづつ、でもたしかに癒されいく--。
失恋の痛みのぶり返しを癒すSTEP3:自分を可愛がる時間を過ごす
「どんなに悲しいことも笑いのめす視点を持っていたい」と語る、現代きっての小説の名手、川上弘美さん。本書には、苦い恋愛の中にも宿っているささやかな幸せが描かれている。美味しいものや優しい会話など、川上作品ならではの独特の空気も気持ちいい。何度も繰り返し読みたくなる一冊! |
五感を満足させ、自分を可愛がってる“時間”を過ごすうちに、きっと恋の痛手は、次の恋どころか、人生そのものの糧になるはず。
全力で恋愛できる大人でい続けるために、痛くても、それはきっと必要なプロセスだと思う。
■本日の恋の栄養素
『ざらざら』 川上弘美著
雑誌『ku:nel』の連載していた短編20篇と、他誌発表作3篇を加えた短編集。不倫、失恋、片思いなど、さまざまな恋模様を川上作品ならではのやわらかな空気にくるんで描く。中でも『山羊のいる草原』は、失恋後の立ち直り方が優しく描かれていて、胸きゅん度が高い。
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