カフェ/京都のカフェ

CAFE HERON(カフェヘロン)…京都・二条城

地下鉄二条城前から徒歩5分。スタイリッシュな一軒家に、50年代ヨーロッパのインダストリアルデザインを集めたカフェが誕生。京都カフェ文化を創った老舗カフェドジから伝わる、カフェ魂の系譜をお届けします。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

カフェヘロンの店内写真
地下鉄東西線「二条城前」のほど近く、御池通りに面して、こんなスタイリッシュなエントランスが待ち受けています。
今回の記事では、拙著『京都カフェ散歩』の中から、CAFE HERONをご紹介します。
あまりにもエントランスのたたずまいに心惹かれ、外側の写真ばかり夢中で撮影していたのですが、店内に入ってみたら、こちらも外観に負けずおとらず素晴らしい。
もし「取材時間が長びくとお店にご迷惑が…」という気持ちがなければ、たぶん半日以上、カメラを構えたまま店内を歩き回っていたことでしょう。

門をくぐり、小さな前庭を通ってカフェの入口へ。

50年代フランスの無骨なランプの美しさ

二条城の南、御池通(おいけどおり)に喫茶チロルとカフェヘロンが並んでいる光景は、ちょっとほほえましい。
かたやチロルは昭和の面影が残るカレーとコーヒーのお店。かたやヘロンは2008年夏に生まれた、あか抜けたカフェ。チロルチョコは四角いけれど、ヘロンの公式は三角形の面積を求めるときに使う…んでしたっけ?

ヘロンの魅力的なエントランスは、私の視線を釘づけにした。無機的なのに繊細な表情を持つグレイの壁。百年以上の歳月を重ねてきたチーク材の門扉。その対比がなんとも美しかった。
門扉を照らす灯りは、50年代のフランスで使われていた工業用ランプだという。

オーナーの冨浪(となみ)清さんは、もとは注文住宅だった四建てのコンクリートの箱を、じっくりと時間をかけてカフェに改装した。
空間づくりのコンセプトは「西洋のインダストリアルと東洋のアンティーク木材によるアトリエ・ロフト空間」。先ほどの印象的なエントランスは、それを端的に表現していたのだ。

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