私がカウンター席でデリプレートを楽しんでおりますと、初老の男性がやってきて隣のスツールに腰掛けました。どたなかと待ち合わせの様子。彼が冷たいビールを気持ちよさそうに飲みながらスタッフに語るには、待ち合わせの相手は「夜の帝王(笑)」で「昼間会うとびっくりしちゃうようなダンディなサングラスでさ」。二人合わせて130歳なのだそう。
そんな会話をもれ聞いていたものだから、カフェの扉が開き、お相手が入ってきたときには思わずしっかりとお姿を拝見して微笑してしました。確かに素敵なサングラス姿でした。
男性客は開業前からcafe・hakutaの存在を知っていたといいます。白田さんの祖母が行きつけの床屋さんに「孫がお店を始めますからよろしくお願いします」と貼り紙をしており、この初老の常連客は、髪を刈ってもらうついでにその貼り紙を眺めていたのだそう。
地元で生まれ育ち、長年にわたって人々と交流を持ってきた人が開いたカフェであれば、洗練された佇まいであっても老若男女が臆せずに扉を開いてくれるのでしょう。
cafe・hakutaには光と緑の揺れるテラスが設けられています。ゆったりと腰をおろせる良い色のチェアは、ベトナム雑貨店HANOI&HANOIで購入したもの。陽射しの爽やかなこの季節、快適なティータイムが過ごせることでしょう。
金町は若いファミリーとシルバー世代の多い町、と白田さんにうかがいました。若い人々にとって遊びの刺激には乏しいかもしれないけれど、こういうカフェが存在し、午後3時にそこで待ち合わせてビールを楽しむ「二人合わせて130歳」がいるなら、なかなか素敵な町ではありませんか。