カフェ/東京・有楽町・銀座のカフェ

銀六珈琲『時・・』(じてんてん)…銀座(3ページ目)

【閉店】なんでも鑑定団でおなじみの西洋骨董評論家、岩崎氏がオーナーをつとめるカフェが銀座に誕生。世界中から収集されたアンティーク時計の物語に想いをはせながら、おいしいコーヒーが楽しめます。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

コーヒーと音楽の密接な関係

学生時代にクラシック音楽を学び、その後、ジャズ・ミュージシャンとして活躍していた岩崎さん。大道芸人としてストリートでも演奏。聴衆と直接的なやりとりをした経験が、珈琲店のマスターとしての仕事にも生きているに違いありません。

私がこれまでに出会ったコーヒー・マスターたちの中には、ミュージシャンとしての一面を持つ人々が少なくありません。その理由を、岩崎さんはこんなふうに分析します。

「コーヒーの風味という目に見えないものを鮮明にイメージし、思いを集中してイメージ通りに作りあげる作業は、音楽を演奏するという目に見えないものを作りあげる作業と似ています」

そしてまた、コーヒーにお湯を注ぐときに、一定の湯量を保って細く落とし続けられるようにトレーニングするのも、楽器のトレーニングによく似ているのだそう。

銀六コーヒー・時・・の写真

『時・・』の6人のスタッフはみな音楽関係者で、芸大を卒業し、クラシックのトランペット奏者として活躍している女性もいます。
スタッフ全員が同じクオリティのコーヒーを抽出できるように、岩崎さんがコーヒーの味の説明をするときに使うのが三次元の立体のイメージ。ノートに描いたその図形を見せていただきました。
味の土台、ボディ、ひろがる香り…それが形となって明解に表現されているさまはとても面白く、味と香りの表現についての豊かな可能性を見せていただいた思いでした。また不思議なことに、その形が、ドリッパーをサーバーにセットした形に似ているのです!

銀六コーヒー・時・・の写真

銀座にはスイーツのおいしいカフェも有名な珈琲店も多いのに、上等のコーヒーを飲みながらノートを広げて書きものをしたり、何をするでもなくぼんやりと過ごせる場所となると、じつは探すのに困っていませんでしたか。
これからは、松坂屋の2本裏手に向かえばいいのです。2階に上がれば「喫茶の喜び」に満ちた空間が待っていてくれます。ひとりで気兼ねなく過ごす時間に、コーヒーの芳香がしっかりと寄り添ってくれる嬉しさを、どうぞご堪能ください。

▼銀六珈琲『時・・』のメニューとショップデータはこちら

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