家族とともにロサンジェルスで10年間生活した紺野さんは、現地でカフェのムーブメントが生まれるのを体験。ロングビーチに誕生した書物に囲まれて時を過ごせるカフェ「The Library」(写真下)に刺激を受け、日本でのカフェ経営を考えるようになりました。
折しも東京でカフェの流行が始まろうとしていた時期。帰国した紺野さんは原宿のカフェに3年勤務した後、フレンチのお店でソムリエを務めます。そこでシェフを手伝いながら覚えた料理が、UGUISUのキッチンで活かされることに。
「UGUISUのスタイルには、自分が歩んできた道すじがそのまま表れています」
和の古いもの×洋の古いもの
和の魅力に着目するようになったのも海外生活がきっかけ。
「The Libraryのような場所では、欧米人のおじいさんと日系人のおじいさんが二人並んで話している光景がしっくりなじんでいる。同じように、UGUISUのインテリアも“時を経たもの”をキーワードにすれば、和でも洋でも心の琴線に触れるものどうしを組み合わせて、落ち着いた空間が作れると考えたのです」
そうして誕生したUGUISUの店内では、友人から譲り受けたり、リサイクルセンターで発見したりした和洋の中古家具や、古いカメラ、古い書物たちが、安らかな表情を浮かべてワインの芳香と淡い光に包まれて横たわっています。
ここではJAZZのライブが行われたりもするそう。チャージ無し、欧米のような“投げ銭”システムというのが粋ですね。カフェは文化の生まれる場所だとおっしゃる紺野さんに、UGUISUで出会った最も嬉しいシーンは何かと訊ねてみました。