五十五年の歳月を経た一軒家はすべての部屋の壁を抜き、欄間に古い建具を巧みに嵌めこんで、こよなく美しいゆったりした空間にしつらえられています。
昔の家は日本人の身体のサイズに基づく寸法で造られていたから建具を再利用しやすいのです、とオーナーの?塚裕士さん。
「親指と人さし指を直角に開いたときの長さを咫(あた)と呼んで、一咫で五寸、十寸で一尺と定めた人々の知恵は、人間工学に適っていますよね」
川口葉子の新刊『カフェのうつわの旅~あたらしい和のかたち』と、この本で取り上げた長野のすばらしい1軒、YUSHI CAFEをご紹介します。ここで時間を過ごすためだけに旅に出てもいい、そんなカフェです。
川口 葉子
カフェ ガイド
ライター、喫茶写真家。著書に『東京カフェ散歩 観光と日常』『京都カフェ散歩 喫茶都市をめぐる』(祥伝社)、『街角にパンとコーヒー』『東京の喫茶店 琥珀色のしずく77滴』(実業之日本社)他多数。雑誌、Web等でカフェやコーヒー特集の監修、記事執筆多数。Webサイト『東京カフェマニア』主宰。
...続きを読む五十五年の歳月を経た一軒家はすべての部屋の壁を抜き、欄間に古い建具を巧みに嵌めこんで、こよなく美しいゆったりした空間にしつらえられています。
昔の家は日本人の身体のサイズに基づく寸法で造られていたから建具を再利用しやすいのです、とオーナーの?塚裕士さん。
「親指と人さし指を直角に開いたときの長さを咫(あた)と呼んで、一咫で五寸、十寸で一尺と定めた人々の知恵は、人間工学に適っていますよね」