誰かに紹介するときに、なぜか自慢したくなるカフェというものがあります。自分が作ったわけでもないのに、どうです、すばらしいでしょう!と、つい得意げな口調になってしまうカフェが。
今回ご紹介するtocoro cafeはまさにそんなカフェなのです。もしあなたがtocoro
cafeに足を運ばれたら、きっと私が嬉しそうな理由をおわかりいただけることでしょう。
端正でストイックなのに、決して痩せていない、ふくよかであたたかみのある美しさ。ちらりと顔をのぞかせるユーモラスな表情。ひとつひとつ考え抜かれたメニューの完成度。こまやかなおもてなしの精神。それはもう、みごとなカフェなのです。
エスプレッソ×茶道のスピリット
tocoro cafeのカウンターには茶釜が置かれ、茶筅が整列しています。しかし、ここは日本茶カフェではありません。一般的には「カフェ・アメリカーノ」の名で知られるエスプレッソドリンクを、tocoro
cafeでは「湯割」と名づけて、茶道のお点前のようにして目の前で点ててくれるのです。
それでは、湯割を作るプロセスをご紹介しましょう。オーナーの上村雅一さんがひとつひとつ丁寧に、端正な所作で点ててくれます。