村上春樹の本から名づけられたカフェ
近年のカフェが街の食堂として、たくさんの食事メニュ-やスイーツメニューを充実させたり、ダイニングバーとしてお酒方面を進化させていく一方で、個人オーナーの志向をくっきりと表現する小さなお店の中には、逆のベクトルを持ち、昔ながらの「珈琲専門店」の貌をしたカフェも生まれてきています。
珈琲専門のカフェメニューは、本当にコーヒーが主役。あとはストイックに、紅茶、ビール、オーナー手作りのケーキとトーストが1~2種類ずつ。
都心でそんなカフェを続けていくには、作り手の信念と、良いお客さまとの相思相愛が成立しなければ困難と思われますが、京都でそれに挑戦しているオーナーがいらっしゃいます。
エレファント・ファクトリー、つまり象工場と言えば村上春樹の読者にはぴんとくるものがあるでしょう。『象工場のハッピーエンド』から命名された、とびきりおいしい珈琲店が京都の路地裏にひっそりと扉を開いています。