手のひらの感覚を駆使したお菓子づくり
お菓子づくりのコツといえば、一般的には計量の正確さがなにより大切と言われていますが、葛西さんの場合はちょっと違います。用いる素材は自然の恵みだから、必ずしも均一な数値では計れない部分が出てくるのですって。
「たとえば卵白は、夏場はちょっとゆるくなります。鶏たちがたくさん水を飲むから。そんな微妙なさじ加減は、人間の感覚でしか計ることができないもの。数字に人間の感覚をプラスすることが必要なんですよ」
冬にバターの固さを手で感じながら切っていくと、お菓子の仕上がり具合が体感できるといいます。ナッツ類も機械を使えば5秒で済むところを、手と包丁を使ってていねいに刻んでいくのは、油の出かたが違うから。そういう作り方こそ“素材を大切にする”ということではないでしょうか、と葛西さん。
「手の感覚をとぎ澄まし、気温と自分の体温を感じながら作っていけば、決して間違えないのです」
そんな彼女の“すっぴん”のコンフォートスイーツは、今後、季節ごとにさまざまな顔ぶれが登場する予定だそう。読者の皆さまにメッセージをいただきました。
「あなたにとって“スイーツ”とはなんでしょうか? どうぞご自分のスイーツなひとときを、このサロンで確認なさってくださいね。あなたの心の中にも素敵な“スイーツ”が輝いていることに気づいていただけたら幸せです」