カフェ/渋谷・恵比寿・原宿・表参道のカフェ

le Lion(ル・リオン)…恵比寿(前編)(2ページ目)

つねに東京カフェシーンの空気を肌で呼吸してきた人々が再結集し、基本のフレンチカフェを作りました。表参道のオープンカフェの歴史を交えながら、前編・後編に分けてお伝えします。

川口 葉子

川口 葉子

カフェ ガイド

ライター、喫茶写真家。著書に『東京カフェ散歩 観光と日常』『京都カフェ散歩 喫茶都市をめぐる』(祥伝社)、『街角にパンとコーヒー』『東京の喫茶店 琥珀色のしずく77滴』(実業之日本社)他多数。雑誌、Web等でカフェやコーヒー特集の監修、記事執筆多数。Webサイト『東京カフェマニア』主宰。

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表参道フレンチ系オープンカフェの全盛時代

私が記憶している限りでは、まず、明治通りに面して2軒。パレ・フランスにはオー・バカナル(2003年、パレ・フランスの老朽化により取り壊されました)、オー・バカナルの斜め向かいに、ひらまつが経営するパリ風のオープンカフェ。ここは結婚式場をかねていたように記憶しています。そして表参道沿いに3軒。カフェ・ド・フロールと、カフェ・デプレ、少し遅れてオープンしたアニヴェルセル表参道のカフェ。

ケヤキ並木の舗道に次々に籐の椅子と小さな丸テーブルが並び、銀のトレイを持ったギャルソンたちが闊歩したあの時代。はじめて私たちに、晴れた空と並木の緑の下で飲むカプチーノがこんなにおいしく感じられるのだと教えてくれたカフェたち。中でも印象的だったのが「パリよりもパリらしい」と称されたオー・バカナルと、パリで輝かしい歴史を持つ老舗カフェの東京店だったカフェ・ド・フロールでした。

レ・リオン外観

CAFE DE FLORE(カフェ・ド・フロール)の時代

2001年秋までアニヴェルセルの斜め向かい、歩道橋の近くに存在していたカフェ・ド・フロールは、かつてサルトルやボーヴォワールらが集い文化を生み出してきた由緒あるパリのカフェの東京店。表参道で待ち合わせをするには最高のカフェのひとつでした。舗道に向けたテラスに籐椅子とテーブルが一列ぎっしりと並び、その横の階段を5,6段のぼると店内で、ここにもまた舗道に向けてテーブルが並んでいました。

狭いテーブルの間をぬって流れるように動き回っていたのがギャルソンたち。現在のル・リオンのオーナー須田任さんのカフェとの深い関わりの歴史も、このカフェ・ド・フロールのギャルソンからスタートしたのです。

▼看板ギャルソンの条件とは?

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