吉祥寺「くぐつ草」の元・店長さんが開いたカフェ
中央線・西荻窪駅の北口界隈には、「三月の羊」、「どんぐり舎」、「Water Blue Cafe」など、小さいながらも魅力のある個性的なカフェが点在しています。個人経営のカフェならではの、作り手の思いが濃く静かに息づくそれらのお店は、「西荻窪らしい」という言葉で表すことができるかもしれません。
北口からのびる商店街の角を少し入ったところに、2006年7月、新しいカフェがオープンしました。もとはアニメーション関連会社の事務所が入っていたという築十数年のビル。その1階に作られたのが、スワヒリ語で太陽を意味するjua
cafe(ジュアカフェ)です。オーナーは吉祥寺の老舗カフェ「くぐつ草」で12年近く店長として活躍してきた近藤和子さん。
シンプルな"アフリカンモダン"
アフリカの小物をあしらった内装と聞くと、鮮やかな色彩と土の匂いの濃厚なエスニックカフェを想像しがちですが、jua cafeのアフリカンテイストはオフホワイトとダークブラウンのみ。色味をおさえたモダンでシンプルなインテリアに、BGMの落ち着いたモダンジャズがしっくりとなじんでいました。レジの横に置かれた大きな壺は、アフリカの部族の裕福な女性が伝統的に用いてきたという衣装入れ。
近藤さんがお気に入りだという深いブラウンのオーク材のテーブルは、吉祥寺の家具店に特別注文したもの。椅子はアンティークショップでみつけた、ヨーロッパのカフェでおなじみのベントウッドチェア。入り口右手には、蝶が羽根をひろげたかたちの印象的な椅子も並んでいました。
くぐつ草のカウンターで豊富な経験を積んできた近藤さんがネルでドリップするコーヒーも、手のこんだお料理やスイーツも、早くもご近所の人々から好評を博しています。