急須のある風景を楽しんで
6年以上にわたってつきまさの店長をつとめてきた岩井利恵さんは、日本茶インストラクターでもあります。日本茶を淹れるには茶葉の種類によって、お湯の温度、蒸らし時間などそれぞれに最適の方法があるのですが、岩井さんはお客さまになるべく気軽に楽しんでいただきたいと、さりげなくお茶ごとに「二煎めの淹れかた ちょっとしたこつ」というカードを添えてお出しするにとどめています。「カフェには小さなお子さんもお見えになりますが、おうちには急須がないからと、お子さんが急須でお茶を淹れるのを楽しみにしているんですよ。ペットボトルのお茶が日本じゅうにひろまっていますから、若いご夫婦の家庭には、急須がない場合があるのですね」
お茶の時間はゆとりの時間
岩井さんのお話は驚きでした。家族の集まる部屋が、「お茶の間」ではなくて「ペットボトルの間」に……それは決して笑い話ではなくて、すでに現実となっているようです。「お湯を沸かして、急須でゆっくりとお茶を淹れて一服する。そんなゆとりの時間を思い出していただけたら嬉しいですね」
そうほほえむ岩井さんがいちばん嬉しいのは、子ども時代に母親に連れられてつきまさを訪れたお客さまが、成長して、自分の子どもを連れてお茶を飲みに通ってくることだそう。
お茶のおいしさを知ってもらおうと、店内では不定期に日本茶講座もおこなわれています。