食事充実のリビングカフェ
「カフェには一人でいらっしゃるお客さまも多いのですが、一人の時間を積極的に楽しんでいる人と、本当は誰かと過ごしたいのに一人になってしまったから、仕方ない、カフェにでも行くかと思っている人との違いは、はっきりとわかりますね」オーナーの高橋大輔さんはそう話してくれました。
「一人の時間を大切にしている方は、隣でグループのお客さまが楽しそうにしていても『私は今、私の時間を過ごしているから』というふうにゆったりと構えて、周囲を気にせずご自分のペースでお過ごしになります。そういう方は、今後もぜひ一人でお見えになっていただきたいと思いますね」
2001年、横浜・馬車道にオープンしたカフェ・タコキッチン。ミッドセンチュリーモダンのテイストを持つインテリアは、2000年代に作られたカフェのひとつの典型的なスタイルではありますが、お店に入ったとたんに、「よくあるカフェ」とはひと味違う何かを感じました。安心感、信頼感といったもの。それが何であるかは、高橋さんのお話をうかがううちに次第にあきらかになっていきました。
「自分たちの店を持ちたくて、妻と二人でタコキッチンをスタートさせたのですが、時間が経つにつれてオープン当初に来てくださったお客さまが減ってしまいました。いろいろと原因を考えて試行錯誤しているうちに、お店も成長して大人になり、今の形になったのだと思います」
最初のうちは自分たちの狙ったものを提案するスタイルだったのですが、いくら自分たちでこうしよう、ああしようとと考えていても、それがお客さまに喜んでいただけなければ意味がないと気がついたという高橋さん。