「サプリメントで栄養素を補っても、疲れた胃腸は十分に吸収することができません。それどころか、一種類の栄養素を過剰に摂取することで弊害が発生する例も数多く報告されています。にんじんは消化能力を高める力があるので胃腸の弱っている人にも効果が高く、ジュースやスープにすればさらにスムーズに栄養を吸収することができます」
にんじんの力を活かすためには、それが安全に育てられたものでなければなりません。『全国有機農業者マップ』を丹念に探して出会った生産者のひとりは、若手生産者の渋谷正和さん。30年以上に渡って農薬を使わず野菜を作り続けてきたご両親の志を継いで有機栽培、自然栽培に取り組んでいます。野菜カフェにんじんでは月に1度、渋谷さんご自身が店頭に立つ有機野菜販売会もおこなわれています。
カフェの人気メニューのひとつ「にんじんおにぎり」は馬場さんが考案したレシピ。「コンビニエンスストアにはないおにぎりを」という心意気のもと、試行錯誤して出来上がったおにぎりは、細かく刻んだにんじんとすりおろしたにんじんを炊き込み、まろやかで塩分控えめ、ミネラルをたっぷり含む「低のう塩」で握ります。
小さな子どもには嫌われがちなにんじんですが、 食の細い子どもがこのカフェに来ると不思議にたくさん食べてくれるからと、若いお母さんたちが子どもといっしょに貸し切りパーティーを開いたりしているそう。