「ビオビオのブドウがきっかけ」
輸出先の国々の中から、最初にスパークリングを発表したのは日本だった。プロモーションで来日した醸造責任者アドルフォ・フルタード氏に話を聞いてみよう。
「ラベルもよく出来ているでしょう? [マーケティング担当者のマリア・ノエル・アロンソさんを指して] これは彼女の仕事ですよ。ボトルやラベルのデザインは、ワイン造りと同時進行で決めて行きました。他にもいくつか案がありましたが、さわやかな味わいのイメージに合うということと、我々が志向する『環境に優しいワイン』という意味も込めて『グリーン』に決定しました」
「もともと、スパークリングは昨年発売する予定でした。当初よりリリースが遅くなったのには2つ理由があります。まず、このワインに使う特殊なタンクの到着が2か月遅れたこと、そして仕上がり具合を見ながら当初の計画より2か月長く熟成させたこと。念には念を入れて、完璧なものを出したかった」という。
そもそもスパークリングを造ることになったきっかけを訊くと、「以前からスパークリングは造りたかったんです。ある時、うちの醸造家のひとりでスペインのカバ生産者にいた人が『ビオビオ地区のブドウはスパークリングに向いている!』と推した。ここは独特な赤い粘土質の土で、爽やかさやミネラル感のあるワインが出来ると判ったので」とフルタード氏。……はて、「ビオビオ」とはどんな所だろう?