父の苦労と娘の転身
ラウシェンバーグのデザインを実現したのは、テタンジェ当主であるピエール・エマニュエル・テタンジェ氏の長女ヴィタリーさんだ。昨年からシャンパーニュ・テタンジェのマーケティングとコミュニケーションを担当している。じつはテタンジェは2005年からアメリカのホテル投資会社「スターウッドキャピタル」に買収されていた。同社がフランスの銀行「クレディ・アグリコール」に売却することでピエール・エマニュエル・テタンジェ氏はテタンジェの経営権を取り戻したが、それはたいへんな苦労だったという。テタンジェ社を一族の手に買い戻そうとしていた頃、彼女はすでにイラストレーターそしてグラフィックアーティストとして、ピエール・ガニェールやルレ・エ・シャトーといった著名どころからの仕事を手がけており、結婚して娘もいた。だが父がテタンジェにかける情熱を間近で見て、テタンジェに参加して父を手伝う決心をしたのだという。
なぜラウシェンバーグだったのか?>>