しなやかな赤でピノ・ノワールの可能性を探る
『プリマヴェーラ』はイタリア語で『春』を意味する |
2005年ヴィンテージの赤である。タスマニアではブドウの収穫は4月頃でそれからまだ2年も経っていない。若いのだが、すでになめらかである。多少風味が閉じこもっていたとしても、大きめのグラスなどでしっかりと空気に触れさせてゆっくりと飲めば、次第にアロマが立ってくるはずだ。
若いワインだからといって、渋く硬いといったことはない。近年の温暖化でタスマニアでも暖かいヴィンテージが多くなっているが、2005年も今までの中でトップクラスのブドウの出来だったと言う。やわらかい果実味が充分ある上に爽やかな酸も相まって、今から充分に楽しめる。もちろん、数年間熟成させれば、さらさらとした飲み口へと進化するだろう。
産地に思いを馳せつつ飲むワイン
しなやかで、若々しい上に酸も充分というこのピノに、どんな料理を合わせるか?なかなか楽しいテーマである。タスマニア産の牛肉など手に入れば、塩味でさっと焼くだけで肉の香りが立つようにして、ピノの艶めかしさと合わせる。おつなものだ。焼き汁に醤油を加えたり、グラスの中のワインを少々垂らして煮詰め、肉にかけても風味がいい。なに、タスマニアの材料でなくとも構わない。ちょっと香りや旨味のある肉例えばウズラやホロホロ鳥(ステファノ・ルビアナでは有機農法を実践しており、畑にホロホロ鳥を放し飼いにしている)、あるいは地鶏でもいい。魚ならアナゴやウナギあたり、適度に脂と香りがあってこの赤ワインとよく調和しつつ、酸味が口中をさっぱりさせてくれそうである。
あまり手の込んだ料理や繊細な風味のものよりも、ストレートにピノのアロマと組める、フレッシュで生き生きした料理……そう、タスマニアのワインは、気取らず実質的な楽しみ方が似合う。オーストラリア南端のタスマニア。汚れなき豊かな自然に思いを馳せながら飲みたいワインなのだ。
関連サイト
■ ヴァイアンドカンパニー (輸入元サイト)
■ ステファノ・ルビアナ (英語)
■ タスマニア観光局
文中のワインが買えるネットショップ
■ ステファノ・ルビアナ スパークリング ブリュット NV
toho、かもす
■ ステファノ・ルビアナ プリマヴェーラ ピノノワール
terrada wine selection