さらに深く、きりりと紅い
ヴィンテージ2000年。この年は夏の雨・嵐・雹があり、決して理想的な天候ではなかった。ところが、クリコがブージー村に30ヘクタール所有する畑のピノ・ノワールから造る赤ワインはとてもいい出来だった。そこで、白のヴィンテージは発売されず全てロゼに仕上げることとなったのである。「この年は特別なんです」ブラン氏が付け足す。「私がクリコに入社して醸造を担当した初めてのヴィンテージだから……」照れながらの、彼のジョークである。
ノンヴィンテージよりさらにエレガントな真紅の色合い。香りにもそのイメージどおり、深みと複雑さそして芳香が感じられる。ひと口含めばコクと上品さが充分あり、ピノ・ノワールの少し熟成したスモーキーなアロマがある。見れば分かるが、泡が一層きめ細かいのは炭酸ガスがよく溶け込んでいる証拠である。
なるほど、2000年の白ワインは幾分か引き立て役となって、赤ワインの伸びやかなアロマが際立つ造りになっている。それに瓶詰めされてあまり年月が経っていないはずだが、ブドウの出来が強すぎないせいか早くから味がよくなじみ、熟成感も楽しめる。2000年ヴィンテージの見どころのひとつである。
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