イエローラベルの裏にこの男あり
ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン。クリコ・イエローと呼ばれる「トウモロコシを与えて育った鶏が産む卵黄の色」がトレードマークのシャンパーニュである。味の全体的なイメージとしては、熟した果物や花の蜜のような芳醇さが挙げられる。
マダム・クリコにちなむこのメゾン、奇しくも現在はフランス本社の社長(セシル・ボンヌフォン氏)と日本の社長(小山順子氏)も女性。女性的なやさしさを連想させるそのワインを造るチームは、何を隠そうこの男性が率いている。来日した際、ヴーヴ・クリコのシャンパーニュ造りについて話を聞くことができた。
カリスマ的なオーラを放つ
ジャック・ペテルス氏に初めて会ったのは、テイスティング会場であった。誰もに気さくに接し、ジョークで場を和ませる配慮を見せつつ、ワインの詳細について質問が出ると、丹念にひとつひとつの疑問を解きほぐしていく。根気強く相手と対峙する雰囲気は、さすが重鎮である。
自身がシャンパーニュ「ピエール・ペテルス」生産者一族の出身で、地元のランス大学卒業後、協同組合で11年醸造に携わったのち、1979年にヴーヴ・クリコ入社。ブドウの買い付けから醸造・ブレンド・製品化まで携わる。同社がLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン グループ傘下に入る前年、1986年から最高醸造責任者を務める。
ペテルス氏が語るヴィンテージとワイン造りとは?>>
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