味覚…『格差』は大きくなり
前述のとおり、ブラックコーヒーの大量発売と共に、ジョージア『ヴィンテージ』、UCC『珈琲探究』、サントリー『ボス・レジェンドブレンド』などのようなプレミアム缶コーヒーもたくさん発売されました。また、カフェオレやフレーバードコーヒーのようなスイーツ系コーヒーも数は少ないですが、プレミアム感の高い品が多かったと思います。結果としていわゆる『普通の缶コーヒー』に比べ、『無糖or糖分たっぷり』という両極端の品が目だったのではないかと思います。
あと今年思ったのが、砂糖以外の甘味料は「まずい!」ということ。糖分控えめにするため、いろいろな甘味料が採用されましたが、砂糖の甘さとは違うんですね。どうも後味が悪く、コーヒーそのものの味は良くなっているはずなのですが、甘味料がぶち壊している気がしてなりません。
パッケージ…『メガ』化はコーヒー飲料にも
缶コーヒーではありませんが、ジョージアオリジナルとジョージアマックスコーヒーで500gPETボトルが発売されました。ハンバーガーや牛丼、カップ焼きそばで超大盛の品が多数発売されましたが、その傾向はコーヒー飲料にも現れているようです。でも、コーラは190mlレギュラーボトル→2リットルPET、大塚製薬のオロナミンC→チェリオのライフガードのように炭酸飲料は容器の巨大化につれ普及していったわけで、コーヒー飲料は遅れてその傾向が出てきたとも言えますが。
新機軸ではありませんが、ダイドーのD-1キリマンジャロ100%で樽缶を使っていたというのは、最近樽缶の新製品を見なかったせいもありますが、新鮮に思えました。
また、ギラギラした色の缶が多く出回っている傾向がある中、ポッカコーヒーオリジナルの缶には艶消し塗料を使っており、安っぽさを感じさせず、『大人の落ち着き』感がありました。手触りも『グゥ~!』(エド・はるみ風に)です。
パッケージデザイン的に見ますと、アニメ・ゲーム・パチンコ等のキャラクターをプリントしたものがたくさん出回りました。最近ではアニメショップ等でもアニメキャラの缶コーヒーを販売しているそうで、アニメファンの需要を狙っているのでしょう。写真は東京ビッグサイト土産になっている『聖地の珈琲』です。ちなみに『聖地』とはコミケ会場であるビッグサイトを指します。イラストの女の子はコミケのカタログを持っています。
製法…挽きたて?旬?
アサヒ『圧力仕立て』、JTルーツ『リアルブレンド』等、各社の特徴を前面に押し出す中、今年もキリンファイアの『挽きたて工房』は健在でした。今年からは『焙煎18時間以内』と抽出までの時間が短くなっています。
今年面白く思ったのが、ジョージアの『シーズンズベスト』です。旬のコーヒー豆を使って限定数量生産を行うというものです。魚でも野菜でも、旬のものを食べるのが一番おいしく、そして安くあがるわけで、その考え方を缶コーヒーに使ってみたというのは良いアイディアではないでしょうか。
懸賞…ジョージアミッションは成功だったのか?
今年の大きな懸賞というとジョージアの『ジョージアミッション』くらいだったのではないでしょうか。賞品もあまり魅力が無く、ゲームのやり方もまわりくどく、どうしても当てたいという気持ちにはなりませんでした。サントリーボスもかつての『ボス電』『ボスジャン』のような目玉賞品が当たる懸賞は行われませんでした。『賞品で釣って売る』という手段が使えなくなってきているのでしょうか。