新潟に住んでいるせいか、西のほうに旅行に行きたいとよく思います。私の経験からしますと、日本の食文化はフォッサマグナを境に変わるようで、特に名古屋や大阪の食文化にはとても興味があります。しかし、名古屋も大阪もすぐに行けるほど近くないので、旅行熱はどんどんつのるばかりです。

先日、『せんば自由軒のカレー』というカレーソースを購入しました。織田作之助の小説『夫婦善哉』にも登場したという自由軒の『名物インデアンカレー』です。一度食べてみたいと思っていたものです。以前大阪に行ったときは缶探しに熱中しすぎて、ミナミを徘徊したのに食べるのを忘れてしまいました。


パッケージの一筆はCD『浪花のモーツァルト キダ・タローのすべて』(このCD自体誰も知らないかな?)のジャケットでおなじみのイラストレータ・成瀬國晴画伯の筆による。


さて、今回の試食記事を執筆するのに『自由軒』で検索してみたのですが、自由軒のサイトを開いたら何やら不思議な文がありました。

当店ではレトルトカレーは販売しておりません


え゛っ?じゃあ、私が買ってきたのはニセモノなのでしょうか。ということで試食記事だけのつもりだったのですが、その前に『自由軒の謎』に迫ることにしました。

私が最初に見たサイトと買ってきたカレーのパッケージを見比べてみましたが、どちらも『創業明治四十三年』『織田作之助』『名物インデアンカレー』というキーワードは同じでしたので、片方が偽物ということはないようです。ところが、ホームページのURLを見ますと、私が検索したサイトはhttp://www.jiyuken.co.jp/(自由軒)、レトルトカレーソースのパッケージはhttp://www.jiyuuken.co.jp/(せんば自由軒)と違っておりました。つまり、自由軒は2つ会社があったのです。

そこで2つの自由軒のサイトを基に自由軒の歴史を調べてみました。第二次世界大戦後、自由軒は創業者の二男によって再建されましたが、1970年(昭和45年)、創業者五男に対し営業許可を与え、戦前の自由軒総料理長とともにもう一つの自由軒(本町自由軒、後にせんば自由軒)を開業し現在に至るというのが2つの自由軒が存在する理由のようです。

自由軒は昔から続いている店舗と天保山マーケットプレイスのみで営業、せんば自由軒はフランチャイズを展開したり、レトルトカレーソースを販売しております。なお、『自由軒』の登録商標はせんば自由軒が持っていると同社サイトには書いてあります。