『タイムスリップグリコ』に代表される昭和レトロ商品が最近人気ですが、昔出回っていた『250g缶の甘いミルクコーヒー』の復活を望むご意見がいくつかありました。
以前でしたらUCCオリジナル、ポッカMコーヒーなどが多く出回っていましたが、前述した大手メーカーの販売攻勢もあり、昔に比べると出回る量が少なくなっていると思います。しかし、飲んでみないとわからない最近の缶コーヒーより、そんなにコーヒー感が無くとも、昔から慣れている味に安心するという心理も確かにあります。私も最近のレギュラーコーヒーを目指した缶コーヒーより、昔ながらのミルクコーヒーのほうがホッといたします。
それは『女性向け缶コーヒー』です。『缶コーヒーは男性のもの』というイメージが強いのですが、レギュラーコーヒーやフレーバードコーヒーは女性も飲んでいるわけですから、女性はコーヒーを飲まないということは無いわけです。シチュエーション別・地域別の缶コーヒーがあるのですから、年齢や性別という区分でも商品は開発できると思います。また、いま以上に販売数を伸ばすには、女性向けの商品を作ることが必要ではないでしょうか。
過去に某メーカーが女性向け缶コーヒーを販売したことがありました。しかし、結果として失敗に終わりました。しかし、今年再び女性向けではないかと思われる缶コーヒーがいくつか出ております。それがニッパ興産の『チャルのコーヒー』と伊藤園の『サロン・ド・カフェ』です。
『チャルのコーヒー』は横浜限定の缶コーヒーでして、『茶瑠』(チャル)という健康茶も販売しています。缶に描かれているサッカーユニフォーム姿の女性のイラストもおしゃれです。写真に写っていないのですが、横浜国際競技場のイラストも描かれています。190g缶なのですが、敢えて『コーヒー』ではなく『コーヒー飲料』にしてコーヒーの強さを弱めているのも、女性をターゲットにしているからだと思います。
伊藤園自体は以前から缶コーヒーを販売していますが、パッケージや宣伝に力を入れたのは今回の『サロン・ド・カフェ』が初めてではないかと思います。缶のイラストにアール・ヌーボーを代表する画家、アルフォンヌ・ミュシャの絵を採用しています。缶コーヒーのパッケージに有名画家の絵画を使ったことは過去に聞いたことがありません(森永製菓の自販機で池田満寿夫画伯のイラストを使ったことがありましたが)。これは女性受けするパッケージデザインとしたいことと、『パリのおしゃれなカフェ感覚の缶コーヒー』というコンセプトを前面に押し出すためでしょう。
また、CMキャラクターには観月ありささんを起用しています。イエローキャブ軍団のようなグラビアアイドルを使っていない(そういえばネスカフェサンタマルタはMEGUMIさんですね)ところがミソです。観月ありささんはドラマ『ナースのお仕事』『あした天気になあれ』など、女性が共感を持つ役を演じていますよね。もし男性向けだったら、ジョージアのようなタレント起用になったのではないでしょうか。おまけに、懸賞でもれなくもらえたのが『コーヒー犬の銀製マスコット』。これは決して男性は喜ばないはずです。以上の理由から、伊藤園は『サロン・ド・カフェ』を陽に『女性向け缶コーヒー』とは謳っていませんが、女性向けではないかと推理する次第です。
長文の記事、読破お疲れ様でした。2003年の缶コーヒーが理解できる文章でしたでしょうか。異論・反論などご意見大歓迎です。ぜひご感想を投稿フォーム(下記にリンクを張ってあります)よりお寄せください。
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