どの会社も『昔の缶コーヒー』からすれば、はるかに味は向上しているですが、今年発売された缶コーヒーを味の面から見ますと、JTの『ルーツ』を挙げる方が多いですね。道端にポイ捨てされている缶を見ても、特に『ルーツライブボディ』は自販機の数の割に多く見かけます。
以前から採用されている『HTST(高温短時間製法)製法』に加え、『低pH技術』も採用、レギュラーコーヒーのpH値に近づけることにより、缶コーヒーでレギュラーコーヒーの味に近づけております。キャッチコピーで『生味革命』を謳っておりますが、これは『ティッシュ革命』『フィルム革命』(どちらも1996年)に次ぐ製品革命だと思います。(ついでに『ドーハの悲劇』(1993年)、『ジョホールバルの歓喜』(1997年)も歴史のテストに出るので暗記しておきましょう)
もう一つはキリンビバレッジの『ファイア』でしょうか。『火・水鍛造 辛口焙煎』という焙煎方法でコーヒー豆の内部までムラ無く焙煎し、雑味の無いすっきりとした味に仕上がっております。
キリンのソフトドリンクといいますと、テクニックに凝る(凝りすぎる?)というところがありまして、かつての『ジャイブ』では『粗挽きネルドリップ』、初代ファイアでは『直火焙煎』など凝った製法を採用しておりますが、今回の『火・水鍛造 辛口焙煎』もその前例に倣ったものですね。
かつて缶コーヒーは使っているコーヒー豆で味の優劣が決まりましたが、最近はどのメーカーも良い豆を使っているので、レギュラーコーヒーにおける『ブルーマウンテン信仰』のようなことはあまり無くなりました。その結果、ネスレの『ネスカフェ・サンタマルタX』のように、使っているコーヒー豆は良い豆ですし、味にも間違いは無いのですが、それ以外に特徴が無い商品は、大メーカーの販売攻勢の中に埋没してしまった感があります。
また、フレーバードコーヒーも一般的になりましたね。スターバックスに代表されるシアトル系コーヒーから人気が出たわけですが、どのメーカーもフレーバードコーヒーを販売するようになりました。フレーバーというのは日本語だと『香料』になるわけですが、今までだと悪者扱いだった香料がうまく使われるようになったのではないでしょうか。