出火原因は連結されていたオシ17型食堂車の喫煙室電気座席ヒーターの過熱だったのですが、前述の通り、当時としても旧式だった石炭レンジを使用していたということが問題となり(それよりも軽量客車が難燃構造になっていなかったこと、トンネル火災時の乗客誘導などの対応不備が本当の原因)、オシ17型は全車使用停止となりました。また、当時の国鉄の状況もあり、食堂車が廃止されたり、連結されていても営業していない列車が多くなりました。
私が知っているところでは、上越線の特急『とき』も車両の入れ替えと共に食堂車は廃止、急行『佐渡』もビュフェが連結されなくなりました。当時はまだ上越新幹線や高速道路もできておらず、また、飛行機も現在のように庶民的な乗り物ではなかったので(飛行機に乗るのは新婚旅行くらいでしたよね?)、当時の国鉄の列車は『移動のための道具』でしかなかったと思います。
再び食堂車が脚光を浴びるのはバブルに入りはじめた頃です。1980年(昭和60)に東海道新幹線に2階建て車両がデビューしましたが、2階が食堂車になっていました。当然のことですが見晴らしが良いこともあり、とても人気があったそうです。東北・上越新幹線もこの当時はビュフェを営業していましたが、東海道・山陽新幹線の豪華なメニューに比べると、電子レンジで加熱するだけの『軽食』のみでした。東京出張の帰り、満員で着席できないときなど、ビュフェの電話(当時はまだ携帯電話は金持ちの持ち物でした)が空くのを待ちながら、味気ないカレーライスをコップの水で口に押し込んでいました。
料理 | 価格 |
J-DINER | |
ステーキディナーコース(2階建新幹線) | 5000円 |
海のフルーツコース(2階建新幹線) | 3000円 |
桜御膳 | 2060円 |
Jダイナーピザ | 850円 |
小羊のワインソテー | 800円 |
ビュフェとうきょう | |
和牛ステーキセット | 4000円 |
玄界・海の幸定食 | 3000円 |
ビーフシチューセット | 2150円 |
うなぎ蒲焼定食 | 1960円 |
ハンバーグステーキセット | 1700円 |
帝国ホテル列車食堂 | |
サーロインステーキディナー (グランドひかり特撰メニュー) |
5000円 |
ブルゴーニュ風ビーフシチュー (グランドひかり特撰メニュー) |
2000円 |
和定食 | 1440円 |
海老のチリソース | 1030円 |
にっしょく西日本・J-DINER・丸玉給食(ウェストひかり) | |
特製カレー(ミニサラダ付) | 750円 |
ウェストセット(和風セット) | 700円 |
グルメセット | 600円 |
ガーデンサラダ | 300円 |
1990年(平成2)の東北新幹線ビュフェメニュー(J-DINER)
料理 | 価格 |
カレーライス(サラダ付) | 600円 |
ミックスサンド | 550円 |
牛舌焼き | 520円 |
焼きそば | 460円 |
1990年(平成2)の上越新幹線ビュフェメニュー
料理 | 価格 |
J-DINER | |
わっぱ飯 | 770円 |
チャーハン | 670円 |
牛丼 | 620円 |
いか一夜干 | 460円 |
聚楽 | |
おけさごはん | 900円 |
鮭の親子重 | 850円 |
天ぷらそば | 620円 |
スペシャルサンドイッチ | 600円 |
J-Diner Cafe(カフェテリア) | |
和風セット(お茶付) | 900円 |
カツサンド | 550円 |
海老ちらし | 370円 |
フルーツセット | 250円 |
弘済出版社刊『JR時刻表』1990年4月号食堂車メニューより書写。