エモーション サティネ\840(パッションフルーツとオレンジのジュレ、オレンジ果肉とマーマレードクリームチーズとマスカルポーネのクリーム、サブレ生地)*7月25日より発売 |
Q.今後もグラスデザートの総称として使われている“ヴェリーヌ”とは呼ばず“エモーション”のままですか?
もちろん!ヴェリーヌ(Verrine)という言葉が私はとても嫌いです。この言葉が今、溢れていますが…。
なぜならヴェリーヌの音は“肉”をイメージする言葉だから。この言葉は肉加工品屋(シャルキュトリー:Charcuterie)の言葉であって、スイーツなのにテリーヌやパテ、ハムをイメージしてしまい、これでは菓子ではなく、ハムや肉の世界になってしまう。言葉の意味や、言葉からのイメージは大切。そういったディテールにこだわるので、この言葉は使いたくない。
また、私はプラスチックのグラスは絶対に使いません。手で持った感触がよくないし、あくまでもガラスを使用することを大切にしていきたい。
(*造語であるVerrineは「Verre(グラス)+Terrine(テリーヌ)」からきているといわれていますが、他にも謂れがあります。(詳しくはTRIPPA通信に書かれています。)
Q.フレーバーの組み合わせの斬新さに、いつも感動しますが、6月27日(土)に発表されるアンヴィ(カシスとバイオレット)の組み合わせについての思いを聞かせてください。
エモーション アンヴィ ¥840(スミレのマスカルポーネクリーム、スミレのクレームプリーズ、カシスの実が入ったカシスのジュレ)*いずれも6月27日より発売 |
完全な香りを引き出すために様々な試作を重ねました。 そして生まれた“アンヴィ”は、口に入れると、まず心地よい花の香りがし、さらにそれに勝るカシスの風味が強い花の芳香をほどよく中和してくれます。
また、最初に感じるカシスの強い苦味も繊細なバイオレットの風味がゆっくりと和らげていきます。最後には再びバイオレットの風味が戻ってきて、口全体に心地よい余韻を残します。
(マカロン アンヴィをいただきましたが、カシスの実がフレッシュな味わいを出し、程良い花の香りが優雅な一品でした。個人的には、エルメのマカロンの中でも好みです。)
Q.昨年発表されたワサビとグレープフルーツの組み合わせにも驚きましたが、新作のフレーバーの組み合わせは、どのような瞬間思いつかれるのですか?
エモーション デリシューズ(わさび)¥945(抹茶のギモーヴ、わさびのジュレ、わさびのマスカルポーネクリーム、グレープフルーツの実とコンフィ)*6月27日より発売予定 |
インスピレーションを大事にしています。それぞれの素材がもつ大胆さを大切に、それだけではスイーツになりえないものも、組み合わせによって新たな味覚が生まれます。
昨年のワサビについても、グレープフルーツと組み合わせることで、新しい感覚のフレーバーが誕生しました。
近々、山の草である「Livéche」(セロリの仲間)を使ったものを展開していきたいと思っています。
Q.今後の展開など教えていただけますか?
2008年の10月にショコラとマカロンの新しい工房をアルザスに作りました。フランス全店舗のマカロンは、そこで職人が手作りで作っています。
またドバイや香港などにも店舗をOPENする予定ですが、現在の世界情勢を考え、未定です。
今後はキッチンウェアメーカーと共同開発でベーシックな菓子道具も手掛ける予定です。また携帯電話の新デザインなどにも取り組んでいきたいです。
今後の展開も、ますます楽しみです。ご多忙な中、お時間をいただきありがとうございました!
SHOP DATA
■店名: PIERRE HERMÉ PARIS Aoyama(ピエール・エルメ・パリ 青山)■住所:東京都渋谷区神宮前5-5-1-8 ラ・ポルト青山1・2F
■電話:03-5485-7766
■営業時間:
1Fブティック【月~土】11:00~21:00、【日・祝】11:00~20:00
2F バー・ショコラ 12:00~20:00(L.O.19:30)
※伊勢丹新宿店、日本橋三越店、シブヤ西武店、大丸東京店の詳細は各店舗にお問合わせください。