「まぐろラーメン」を切り札に町興しをしているところがある。鹿児島県串木野市だ。串木野はマグロ漁の町。今でも漁船数は全国2位を誇る。しかし、水揚げのほとんどが静岡に移り、町自体の活気が無くなり、寂しくなっている。
そこで、市の観光協会が飲食業組合に「まぐろラーメン」の開発を提案して、それが誕生したのが2年前。一番の苦労は「生臭さ」を消すことだったらしい。私はラーメンは大好きだが生臭さは大嫌いである。だから、実は「まぐろラーメン」の調査(というか、食べ歩き)にあまり気が進まなかったのである。
「まぐろラーメン」は、マグロの頭と野菜などを煮込んだ醤油味のスープに、このラーメン用に開発された中太の縮れ麺を使用。具はタレに漬け込んだ「マグロヅケ」と白髪ネギ、糸唐辛子で仕上がりはかなり綺麗なビジュアルだ。また薬味にワサビ(写真右下)が付いてくるのも珍しい。(写真左下は鹿児島ではラーメンに付き物の漬け物)
まぐろの処理の仕方は店ごとにマチマチだが基本構成(麺、スープ、具)は同じ作り方を取っている。今回は3軒食べてみた。その感想は次ページにある通り。ただ気になったのは「町興し」としてやっているのに、私が食べに行った日曜日に、2軒休みだったこと。市外のお客さんを獲得しようとするなら日曜の休みはない方が望ましいのに。
今のところ、8軒で「まぐろラーメン」を食べることができる。駅からだいたい歩きで行くことができる。私は最初「みその」までタクシーで行き、「たから」(休み)、「蘭蘭」(通り過ぎ)、「たなか屋」、「なかむら」(休み)と廻り、駅近くの「ゆのまえ食堂」で3杯目を食べて駅へ行くというコースをたどった。もっとも私のように3連食する人はそうそういないと思うが・・・。