ラーメン/東京のラーメン

2003年末にオープンした昔ながらの店 池之端 松島(東京・根津)

作られた「昔ながら」の雰囲気ではなく、新店なのに味も雰囲気も「昔」に帰れる癒し系の店。

大崎 裕史

執筆者:大崎 裕史

ラーメンガイド

「麺道楽の集う店」との編集タイアップ記事第5弾。「光江」「きむら家」「一力」「二三太楼」と続いてきた。そのうち3軒は老舗、1軒は新しい店。今回紹介するのは、2003年12月下旬にオープンした新店ではあるが、外観、店内の落ち着き、ラーメンの味わいなどは、他3軒の老舗に匹敵するような郷愁を醸し出している。

▲根津駅2番出口は、駅の湯島よりの出口
谷根千という言葉がある。谷中・根津・千駄木の三地区を総称した呼び方だ。とても山手線内にあるとは思えないような江戸情緒あふれた街である。昭和初期のイメージがそのまま残っており、仕事に追われるビジネスマンには、あまり縁のない街かもしれない。かくいう私も営業職20数年になるが仕事で根津駅や千駄木駅に降りたことはあまり記憶にない。しかしながら、そんな時間に追われるビジネスマンにこそ、こういう街での癒しが必要なのではないか?と思う。


▲池之端二丁目信号付近にあるこの旗が目印
今回紹介する店は不忍通りからちょっと路地を入ったところにあり、この旗がなければまずここに店があるというのは気がつかない。2回目に行った時でさえ、旗があるのに通り過ぎてしまいそうになるような路地なのだ。この路地を入るとそこはもう昭和の世界へタイムスリップ。もちろん今流行りの「作られたレトロ感覚」ではない。


▲「池之端 松島」の路地を入ったところ。白い提灯が目立つ。
現店主の祖母がこの場所で商いをしていたらしい。その場所を譲り受けて始めたようだ。正直言って初めて訪れた時は「何もこんな場所で始めなくても」と思ったものだ。しかし、2回目にはその安らぎが心地よかった。


▲「池之端 松島」の入り口。ラーメン店には見えない。
店の前にメニューがあるから、それでやっとここが「ラーメン店」だと認識できるが、この入り口ではちょっとした小料理屋である。思い切って扉を開けてみても「あれ?間違えたかな?」とすら思ってしまう。
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