その店の名は「唐そば」。TV番組でも放映されたので見た方もいらっしゃることでしょう。創業者である父は、息子である二代目の意見を聞き、北九州の店は1999年、21世紀を前にして40年の歴史に幕を閉じることになりました。父も自ら40年もの間、ラーメンを作り続けた店を閉めるのは忍びなかったと思います。しかし、二代目の頑固さに折れ、自分の店を諦め、二代目(息子)を新天地に送り出してやりました。二代目は東京の激戦区“渋谷”のしかも駅前を選択。故郷を捨ててまで、頑なに東京出店にこだわった二代目ですが、味は父の味をしっかり受け継いでいるところが泣かせます。
開店当時はなかなか思うような味が出ず、一人苦しむ二代目。自分のわがままで東京に出てきたので父に頼るわけにもいかない。眠れぬ日々が続きます。そんなとき、ひょっこり現れた父。いくつかのアドバイスの後、何度もやり直し、ようやく父も息子も納得できるスープが完成。その味を確認した父は、安心し、田舎に帰ります。その後ろ姿を見送る息子。振り返らない父。お互いの決意が感じられるシーンでした。
今、「唐そば」は、数ある渋谷のラーメン店の中でもかなりの人気店となり、連日行列を作っています。
【DATA】店名:唐そば 最寄駅: 渋谷 住所: 渋谷区渋谷2-22-6 六本木通り沿い。渋谷警察署向かい TEL: 03-3486-0147 営業時間: 11:00-23:00 休日: 日曜 メニュー: ラーメン600 大盛り750