ごちそう野菜と言うにふさわしい、本日の野菜スープ
野菜の甘みが引き立つ、ちょうどいい塩加減 |
「季節野菜の菜園バーニャカウダ風」をはじめ、5品頼んだアラカルトの中で、特においしかったのが、「本日の野菜スープ(お値段と中身はその日によるのでスタッフに問い合わせ)」 「季節野菜のフリット(1,000円)」。
スタッフの方が、目の前でフタを開けてくれるのですが、最初に強く感じるのは、スナップエンドウやインゲンなど、青々としたマメ科の野菜の匂い。
でも、スープは、たったひとさじ飲んだだけでも、菜の花、ジャガイモ、サツマイモ、トマト、玉ネギ、あやめ雪(カブ)など、いろんな野菜の甘さが、ぎゅっと口の中に染み入ってきます。まさに、「ごちそう野菜」と言うに、ふさわしいひと品。
フタを開けたとたん、野菜の甘い湯気が立ち上る! |
そんなスープがあまりにおいしく、中には「おじやにするので、ご飯を下さい!」と言う人も。でも、普通のご飯はとろけてなくなるため、そんな時は、食感のいい、麦ご飯で対応するそう。
それもおいしそうなのですが、でも、私が思うに、ここでごはんを食べるのは、ちょっともったいない。と言うのも、こちらには、「土鍋のパエリア(1,500円)」や「土鍋のチキンライス(1,000円)」という人気メニューもあり、別の日に行って食べたところ、これも名物に入れたいおいしさ。胃袋の限界も考えると、やはりスープはスープで楽しみ、ご飯は、ラストのご飯メニューまでとっておくのがベストかなと思います。
笹川流れでいただく、季節野菜のフリット
1時間経ったフリットも食べてみましたが、確かにまだおいしい! |
この日の「季節野菜のフリット」は、アスパラ、ゴボウ、レンコン、シイタケ、サツマイモ、島人参など。これらを、スープに使ったのと同じ、和三盆のような色合いのザクザクした塩「笹川流れ」でいただきます。
特徴は、時間が経っても、野菜の食感が生きるよう、衣をカリカリに揚げていること。火を入れるとやわらかくなる野菜と、カリッと揚げた衣の対比が、おしゃべりの間もおいしさを引き延ばしてくれます。
今回は、素材のひとつに、丹波産の大ぶりのシイタケが揚げられていましたが、実は昨年、古田シェフは、この丹波で、農業を営む義理のお父様と、松茸山を買ったのだそう。残念ながら、昨年は収穫に結びつかなかったそうですが、いつか叶う時が来たら、ぜひ「ARBOL」でも出してゆきたいとのこと。
今は、そんな収穫祭を開催することと、現在、空き部屋になっている「ARBOL」の2Fで、トマトを水耕栽培することが、目下の古田シェフの夢だそうです。
ゴルゴンゾーラさえ押され気味の迫力野菜
やはり目立つ里芋から手を出してしまいます! |
また、「鎌倉里芋とゴルゴンゾーラチーズのグラタン(950円)」は、里芋の中でも端っこについている子供たちだけを使ったひと品。理由は、その強いぬめり。真ん中の大きな親もおいしいけれど、子供たちを選んで使うことで、よりつるっとした食感を得られるのだそう。
でも、見た目がかなりごろっとしているため、子供と言えども、食べ応えは充分。しかも、ブロッコリなども大きめなので、濃厚なはずのゴルゴンゾーラさえ、少々押され気味に感じます。それだけ、野菜に迫力があるということですよね。
屋上菜園産のほうれん草を練り込んだパスタ |
注目したいのが、赤のパスタと緑のパスタ。まるで、「赤いきつね」と「緑のたぬき」みたいですが、どちらも、メニューには「野菜を練り込んだ自家製麺です。*黒板をご覧下さい」と書かれています。
この日の緑は、ほうれん草を練り込んだパスタ。ソースをからめた具のほうれん草、ナス、トマトは栃木産ですが、練り込んであるのは、正真正銘、屋上菜園産です。
香りが強かったり、繊維が多めの野菜は、パスタには不向きだそうで、セロリでトライした際は、大失敗。そのため、ほうれん草がない時は、モロヘイヤや菜の花などを使うのだそう。
また、赤のパスタに使うのは、トマトやボイルしてジュースにした紫人参など。トマトソースも缶くさい味がしないよう、100パーセントフレッシュトマトを煮詰めているそうです。