眼球も飛び出す23万7,300円ディナー
「イタロプロバンスダイニング」のディナーセッティング |
ホテルで迎えるクリスマスと言えば、レストランの予算は、1人1万~2万円程度。余裕があれば、そこにさらに1万程プラスして、お得な宿泊プランにしてしまうのも、ひとつの手です。
でも、その違いは、お部屋が高層階だったり、ウェルカムティーが付いていたり、シャンパンのハーフボトルがプレゼントされたりと、その程度。つまり、いくら特別感を打ち出しても、その内容に、あまり大差がないのが現状です。
「イタロプロバンスダイニング」(23万7,300円のディナーは別の個室) |
そんな中、23万7,300円という眼球も飛び出すようなお値段のクリスマスディナーコースを企画したのが、「ANAインターコンチネンタルホテル東京」36Fの「イタロプロバンスダイニング」。
店名だけ見ると、「イタロ」でイタリアンをイメージし、「プロバンス」でフレンチを思い起こし、一瞬、どっちなのだろうと迷うのですが、れっきとしたフレンチレストラン。不況と言われるこの時代、その大胆さには、思わず脱帽します。
23万7,300円の意図は“なんとなく”の打破
「イタロプロバンスダイニング」(23万7,300円ディナーは別の個室) |
でも、「ANAインターコンチネンタルホテル東京」側からしてみれば、この試みは、不況、好況にかかわるものではないのは歴然。不況に添うなら、それ相応のお値段で提供するでしょうし、また、不況の時代に活気を与えるためなら、多くの人が払い易い金額を上限に設定するでしょう。
では、それが、23万7,300円でなければいけない、その意図はどこにあるのでしょう。
「イタロプロバンスダイニング」(23万7,300円ディナーは別の個室) |
それは、なんとなくいつもより贅沢な食事を楽しんだ、なんとなくいつもよりリッチな気分に浸れた、なんとなくいつもより特別感を味わえたなど、クリスマスによくある“なんとなく”な満足感を、何年経っても色褪せない確固たる思い出にグレードアップさせること。
「今までで、ものすごく思い出に残ったクリスマスは?」と聞かれ、ぼわんとした記憶しか浮かばないのでは、ちょっと残念。