名物中の名物「麻婆豆腐」。
しびれる辛さが自慢の麻婆豆腐。奥はレタス入りチャーハン。 |
また、ここではずせないのは、麻婆豆腐とチャーハン。「重慶飯店 麻布賓館」きっての名物中の名物です。
ひと口食べると、ああ、しびれるように辛い。でも慣れてくると、それが刺激ではなく、美味しさに変わるから不思議です。
ここの麻婆豆腐を食べると、今まで食べてきたのはいったい何だったんだろうと思うほど。本当の四川料理の味わいは、辛味、しびれ、甘みが絶妙に絡み合い、突発的に感じる辛さと後からじわじわ出てくる辛味の2段構造になっていることを、ここの自家製マーラージャンで初めて体感した気がします。
左は中国山椒、真ん中は日本山椒、右は中国青山椒。 |
ここのマーラージャンは、15種類の食材を混ぜ合わせた秘伝の辛味味噌。その例として、3種類の山椒もともに運ばれてきました。皆で体験と称し、そのまま食べてみたのですが、中国の青山椒は辛いなんてもんじゃない。ものすごくきつい酸味のライムをまるかじりしたように、唇がビリビリとしびれ、オーバーじゃなく、その後15分は3人とも呂律がまわりませんでした。
他の2つの赤い中国山椒と日本山椒は、しびれると言うよりは、深みのある辛味。こちらでは、やはりこれらを調合することで、独自の味わいを出しているよう。
なので、もし辛さについていけない人は、チャーハンの上に麻婆豆腐をのせて食べてもOK。だいぶマイルドになります。下品かなと遠慮しがちな食べ方ですが、ここではお店の人が率先して奨めてくれるから、気楽。正装が似合う店内なのに、サービスがざっくばらんなのは、リラックスして食事をする上でとても素敵なことですね。
ちなみに、チャーハンは、エビ、鶏肉、しめじ、アスパラ、レタスなどを入れ、自家製XOジャンで仕上げています。
ラードを含ませたサクッと軽い焼き菓子。
イベントなどの日は、デザートがブッフェになり、焼き菓子のヒヨコが大行列することも! |
デザートは、3種類の焼き菓子。それぞれヒヨコ型には蓮餡が、青リンゴ型には黒餡が、魚型には白餡と黒餡が両方入っています。どれもサクサクっと軽いのは、生地にラードを含ませているから。その辺り、バターを使ってしっとりさせる日本の焼き菓子とは、大いに異なるところです。
右上の写真の杏仁は、左が中国北部で採れるもの、右は南部。違いは、北は香りはいいが深みが少ない。南は、香りでは北に負けますが、味にふくらみがある。なので、ここでは両方のいいとこを合わせて、使っているのだそう。 |
その他、マンゴーシャーベットと杏仁豆腐、フレッシュフルーツも付いていたのですが、杏仁豆腐は、中華街の「重慶飯店」とは全然違うものだそう。
ひと言で言えば、中華街のはゼリー状で、「麻布賓館」のはお豆腐のよう。自慢は、クリーミーな舌触り。グラニュー糖をつけたグラスの演出も、とてもきれいです。
これらのデザートは、毎日決まったものを出しているわけではなく、ゲストによって、重複を避けるよう、配慮しているそう。なので、予約で伺うと、その日出たものが記録されるので、次回はまた違ったものを楽しむことができるようです。
左上から右回りで、孔料理長、大津さん、支配人兼ソムリエの大森さん。 |
こちらの四川料理は、「重慶飯店」という根を揺るがせず、他店とは違った表現力で勝負をするのが、最大の特色。そのオープンからの担い手となったのが、11年前、中国から来日した孔料理長でした。
その教えを端から端まで吸収し、めきめきと腕を上げているのが、「重慶飯店フードコンテスト2008」で3位に入賞した大津さん。「仔料理長の料理に対する姿勢で、一番尊敬するのはどこですか?」と聞いたところ、大津さんはだいぶ長い間、答えにつまり、「選べない」。
と言うのも、公私ともに7年もお世話になっているそうで、見習いたいところがあり過ぎて、絞るのは不可能なのだそう。「でも、しいて言うなら、気さくなところ。料理長という肩書きがあると、どうしても硬いイメージを持ちますが、仔料理長がいると、キッチンの雰囲気がいい」。
人を伸ばすのは、注意すること、怒ること以外にも、たくさん方法があることを、大津さんのひと言から聞けたような気がするのは、私だけでしょうか。
そこに、物知りで温厚な支配人兼ソムリエの大森さんが、今春加わり、鬼に金棒なこれからの「重慶飯店 麻布賓館」です。
「麻布賓館」のウェイティングエントランス。 |
今後の「麻布賓館」特別食事プラン
メリー・チャイニーズ・クリスマスコース
忘年会プラン
「麻布賓館」のプライベート席。扉を閉めると個室になります。 |
*ちなみに、今回のメニューにないシェフおまかせコースは、予算6,000円くらい(アラカルトの上海蟹(一匹4,000円)は除く)です。
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「麻布賓館」エントランス。 |
■重慶飯店 麻布賓館
所在地:港区西麻布3丁目2番34号
西麻布ヒルズ1F
TEL:03-5771-3680
営業時間
ランチ :11:30~14:00(LO)
ディナー:17:30~22:00(LO)
定休日:月曜日・年末年始
日比谷線六本木駅1番出口より徒歩約8分
全席禁煙
地図:Yahoo!地図情報
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