アジア唯一の「ゴードン・ラムゼイ at コンラッド東京」!
天井高8メートルの「ゴードン・ラムゼイ at コンラッド東京」の店内。 |
汐留エリアでも、とりわけやすらぎを感じるホテル「コンラッド東京」。それは、モダンなインテリアの向こうに、浜離宮恩賜庭園という江戸時代の代表的な大名庭園をたしなむせいでしょうか。
直通エレベーターで28Fへ。ロビーフロアに到着したとたん、急ぎ足で過ぎていた地上の時間が、急にスピードをゆるめるのを感じます。目指すは、「ゴードン・ラムゼイ at コンラッド東京」。ミシュラン三つ星に輝くロンドンの伝説のシェフ、ゴードン・ラムゼイ氏のモダンフレンチを、アジアで唯一堪能できるレストランです。
ワンテーブル、ワンディッシュがVIPの“格”と“核”。
店内入ってすぐのところにある、半オープンのキッチン。 |
それは、カジュアルなブラッセリー「セリーズ by ゴードン・ラムゼイ」を通り抜けた先。天井高8メートルの洗練された空間です。と言うと、つい開放感溢れるなどというありふれた言葉で表現してしまいがちですが、ここにはそれだけじゃない“格”と“核”がある。
それはきっと、「コンラッド東京」のコンセプトでもある“パーソナルなおもてなし”にも通じるもの。共鳴するのは、「ワンテーブル、ワンディッシュごとがVIPである」というラムゼイ氏の思いです。
完璧じゃないものはキッチンを離れない。
牛フィレ肉のロースト ポテトミートパイ添え クリーミーなサヴォイキャベツと玉葱のピューレ 赤ワインソースで。 |
それを表現するひと皿が、「牛フィレ肉のロースト ポテトミートパイ添え クリーミーなサヴォイキャベツと玉葱のピューレ 赤ワインソースで(7,400円)」。
これは、ローストした牛フィレ肉をグレーズソースで仕上げたアラカルトのメニュー。両側に添えられているのは、牛のホホ肉をニューポテトで挟み、パイで巻いて焼いたもの。まわりには、サボイキャベツのクリーム仕立て、ローストオニオンのピューレ、イタリアンパセリフライをのせたパールオニオンも華を添えています。
驚きなのは、お肉のやわらかさ。一見、かなりレアにも見えますが、食べてみると、それは“レアであってレアじゃない”。じっくり火が通っているのがわかります。そしてもうひとつ、印象に残るのが、タラゴンやタイムで香りづけしたポテトの間のホホ肉。先にしっかり煮込んだとあり、味わえば味わうほど、まるでペーストがからみつくように、舌に深い旨みを残します。
これはまさしく「完璧じゃないものはキッチンを離れない」というゴードン流を、目の当たりにする瞬間。「シンプルに見えても、中は厳しい基準」というポリシーが垣間見えます。
お料理は“作る”“盛る”“出る”瞬間の集中力!
ラムゼイ氏にシェフ・ド・キュイジーヌに大抜擢された前田慎也さん。 |
そんな話をしてくれたのが、「ゴードン・ラムゼイ at コンラッド東京」シェフ・ド・キュイジーヌの前田慎也さん。ロンドン内のゴードン・ラムゼイ氏のレストランで修行し、34才という若さで、ラムゼイ氏からの命を受け、今年2008年2月、母国日本に降り立ちました。
と言うのも、前田シェフ、日本で腕をふるうのは、これが初めて。料理人としてのスタートがオーストラリアだったため、その後もロンドン、ニューヨークと世界主要都市で腕を磨いてきました。
そんな前田シェフがラムゼイ氏から受け継ぐのは、もちろん“一瞬の完璧”。ひと皿を“作った瞬間” “盛る瞬間” “出る瞬間”でチェックし続けるその集中力は、お料理を生き物としてとらえる前田シェフのきめ細かさの結晶です。
なのに、その笑顔には敬服するほど、微塵の疲労も見えない。「集中力を保つことを、日常やり過ぎて、今はもうそれが普通になっている。普通じゃない世界が、僕にとっては日常なのかもしれません」。
優しい泡の下、やみつきになるコリコリの食感!
フォアグラのソテー ポークのブレゼ バロティーヌ仕立て アーティチョークヴルーテと共に。 |
そんな前田シェフのもうひとつのお奨めは、「フォアグラのソテー ポークのブレゼ バロティーヌ仕立て アーティチョークヴルーテと共に(4,800円)」。これは、豚の顔の肉を煮込んだものを、泡立てたアンティーチョークのクリームスープに浸し、その上にソテーしたフォアグラをのせたアラカルトメニュー。
イギリスでは豚足などもよく食べられ、30センチほどの顔の肉も、付け根まで全部料理するそう。ここではそのブレゼされたものが、優しい泡の下に隠され、見えないですが、フォークでひと口いただくと、ゼラチン質でコリコリした食感が、もうやみつきになります。
形状は、クルセルで小さい丸に仕立てたパテのような感じ。でも実際は、太いソーセージ風に作ったものを2センチほどの輪切りにしているそうです。
世界合計10のミシュランの星を持つゴードン・ラムゼイ!
天井に近い壁には、ニーチェの言葉とともに描かれた菅野まり子さんの作品。 |
今回はアラカルト2品にデザートという流れでいただいたディナーだったので、ひと品づつの値段からちょっとお高めに感じると思いますが、ランチコースなら4,000円くらいから用意されています。
ヒルトンホテルグループが世界に展開する最高級ブランド「コンラッドホテルズ・アンド・リゾーツ」のひとつである「コンラッド東京」内に入っているということで、敷居の高さを感じる人もいるかもしれませんが、いざ来てみると、ここは思いの他、軽やか。ファインダイニングと呼ぶにふさわしい居心地です。
それもあり、以前、プライベートで来た際は、ランチコースにもかかわらずなんと1万円。どうやら気分が良くなって、昼間からだいぶ飲んでしまったようです。ああ、世界でミシュランの星を合計10も獲得するゴードン・ラムゼイ、恐るべし。
「フォアグラのソテー ポークのブレゼ バロティーヌ仕立て アーティチョークヴルーテと共に」を仕上げる前田シェフ。 |
<店舗データ>
■ゴードン・ラムゼイ at コンラッド東京
所在地:港区東新橋1-9-1 東京汐留ビルディング コンラッド東京内 28F
TEL:03-6388-8000(ホテル代表より取次ぎ)
営業時間
ランチ :11:30~14:00(月~土 LO 祝日12:00~14:00 LO)
ディナー :17:30~21:00(月~土・祝・祝前日 LO)
サンデーランチ:11:30~16:00(日)
定休日:無休
分煙
大江戸線・ゆりかもめ線汐留駅9番出口より徒歩約1分
JR・浅草線・銀座線新橋駅汐留口より地下通路徒歩約7分
地図:Yahoo!地図情報
次ページでは、英国紅茶の日本第1号店「フォートナム・アンド・メイソン」をご紹介します!