都会でハチミツを採取する「銀座ミツバチプロジェクト」。
巣板から顔をのぞかせるミツバチ。通称、“銀ぱち”くん。 |
ハチミツは大好き! でも、ハチは、こわい! これが「銀座ミツバチプロジェクト」の採蜜活動に、取材を申し込んだ時の一番正直な気持ち。採れたてのハチミツには興味しんしんだけど、取材中に刺されやしないかちょっと心配。「ハチって刺すと痛いんでしょ?」。
でも、これはハチを前にすると、きっと誰もが抱く不安。そのため、当日は「銀座ミツバチプロジェクト」理事長の高安和夫さんの指示通り、黒い服や靴を避け、メイクも薄めで参加。高安さんいわく、黒いものを身につけた人やキラキラしたアイシャドーをしている人は、ハチに刺されやすいのだとか。
巣板から顔をのぞかせるミツバチ。通称、“銀ぱち”くん。 |
でも、その多くは、たいがい取り越し苦労。ミツバチは何かを刺すとまもなく死んでしまうため、生命の危険を感じた時以外は、むやみに人を刺すことはないのだそう。ミツバチだって、人を刺すのはまさに命がけなのですよね。その証拠に、プロジェクトのメンバーが、手のひらの上で遊ばせているのは、ああ、ミツバチでした。
そんな光景を目の当たりにするのが、銀座3丁目の紙パルプ会館屋上。こんな都会の真ん中でミツバチを飼っているなんてと、半ば信じられない気持ちでいたのは、採蜜が始まる朝9時までのことでした。
銀座の地産地消を実感させる、銀座はちみつスイーツ!
蜜を集めるため、巣箱を出たり入ったりするたくさんのミツバチ。 |
ミツバチを刺激しないよう、白い防護服に着替え、網帽子をかぶって、柵の中に置かれた巣箱を開けたら、いざ採蜜! と、その前に、ここで「銀座ミツバチプロジェクト」について少々ふれておきましょう。
これは、高安さん率いる、食についてのシンポジウムを開催する「銀座食学塾」と、銀座の街の歴史や文化を学ぶ「銀座の街研究会」の有志が集まり、期間限定でミツバチを飼育する特定非営利活動法人(NPO法人)。
銀座の東急ハンズで販売中の銀座はちみつを使った「銀座ハニーソープ」。45日じっくり熟成。保湿成分たっぷり。 |
2006年春のスタートから、3年目を迎える今年。このプロジェクトから生まれたハチミツは、「銀座はちみつ」と呼ばれ、「三笠会館」のバーのカクテルや「銀座松屋」の地下のスイーツ、「東急ハンズ」のハチミツ石けんなどに姿を変え、店頭を賑わせます。
これこそ、「銀座ミツバチプロジェクト」が提唱する「銀座の地産地消」。一般的に地産地消と言うと、真っ先に地方の野菜などを思い浮かべますが、こんな都心部にもそれを叶えるべく産物があることを、このまろやかな甘いひとなめが教えてくれるのです。
蜜源は皇居、日比谷公園、浜離宮などの花々。
「銀座ミツバチプロジェクト」理事長の高安和夫さん。 |
蜜源は、ソメイヨシノ、菜の花、マロニエ、ユリノキ、ミカン、モチノキなどの花々。ミツバチは、蜜を運ぶ範囲が半径4キロと言われるため、おのずと割り出される行動範囲が、皇居、日比谷公園、浜離宮など。
ミツバチは約10分で2キロを飛べるため、往復の時間と蜜を採取する時間をそれぞれ10分とすると、約30分がワンコース。でも、お天気のいい日には、佃公園の方まで蜜を採りにゆくミツバチもいるのだそう。
銀ぱちくんが巣箱に戻る様子。 |
特定するのは、ミツバチの背につけた白いマジック。あらかじめプロジェクトのメンバーが、銀座界隈の公園や街路樹にいるミツバチに印をつけ、それが巣箱に帰ってきているかどうかチェックするのだそう。銀座のマロニエ通りのマロニエやユリノキにいるミツバチは、近いこともあり、よくその姿を巣箱の中に確認できるそう。
「このプロジェクトがスタートした頃は、「有楽町イトシア」もまだなく、ビルの間に皇居が見えた」と高安さん。銀座の景色は変わっても、プロジェクトで飼育するミツバチは、2006年で10万匹、2007年には15万匹と、年々その数を増やしているようです。
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